狂人のはなし
マディ「素晴らしい……空が割れた!世界が終わるぞ!」
エンプティ「きみはだれ?」
マディ「私が居ては、ご不満かね、少年」
エンプティ「そういうわけじゃないけど……きみ、僕の知っている人たちとは、違うから」
マディ「そうとも、少年。私は、空から来たからね」
エンプティ「……あの、割れた空から」
マディ「そうとも。少年は、あの空の色を見たかい」
エンプティ「うん……割れた空の向こう、見たことも無い、不安な色だ」
マディ「不安か……そうかい。少年には、あの空の色が分かるかい。あれは、『青色』だよ」
エンプティ「青色……こんな、不安でおそろしい色が……」
マディ「そう。青色。Blueだよ。少年の、今の気持ちにぴったりじゃあないか」
エンプティ「なんだか落ち着かないよ。それで、きみは結局だれなの」
マディ「私は……少年。きみを、迎えにきた」
エンプティ「…………」
マディ「…………」
エンプティ「……やっぱりね。そんな気がしていた」
マディ「エンプティ、」
エンプティ「僕は、出ていかない」
マディ「…………」
エンプティ「…………」
マディ「……行かなければ。きみは、ひとりで、行かなければ」
エンプティ「あんな、狂った世界、僕は見たくないよ」
マディ「…少年」
エンプティ「あんな凶暴な空の色、僕はもう見たくない」
マディ「……全部、思い出してしまったんだね」




