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第98話 派生カレー

 カレーを屋台で出してみることにした。


 だがそのまま出しても食べづらいことはなんとなく見越しているので、パンにするか…うどんにするか…でもライスが一番かな?


「なに悩んでるんすか?」

「屋台に出すカレーについてだ!案を出せ!」

「ええ!?カレーライスでいいんじゃないですか?」

「馬鹿野郎!!それじゃ普通に邪魔だろうが!!食べるところを確保して初めてカレーライスを味わう環境ができるんだよぉぉぉ」

「えええ…ならパンとかにします?麺とかも違うんすよね?」

「そうだな、ナンだな!」

「パンですか…どうゆう感じに提供します?」

「ナンな!作り方はわからねぇが平たく焼いたパンみたいな…」

「パンじゃないですか…」

「パンじゃねぇよ!窯に張り付けて焼くんだよ…たしかな…」

「あいまい…とりあえずやってから考えましょ‥」


 こうして今回も試作品作りが始まった…


 まずはタネづくりから…


 いつものように生地を作る。強力粉にバター多めでやってみる…なんとなくそんなイメージだし…


 あとは混ぜる混ぜる…

 発酵させて、形を作って窯で焼いていくわけだが…その窯の仕組みがよくわからん…


 なんか内側に張り付けるのはわかっているのだがどうゆう原理で火入れが行われているのか分からん…


 一旦やってみる…


 いい感じに広げた生地をペタッと張り付けて焼く…


 うん、どうやって取るんだ?え?怖っ!!


「トム…とってくれ…」

「ええ?なんかないんすか?素手?無理です熱いですよ!ええ!」


 そういってトムにやらせる…これは危険だ…


「意外といけました……先に食べてもいいですよね…」

「よいよ…カレーも出してやろう…」


 パクッ…「おお!!ウマイっすね…これがナン…良いのでは?」

「これだとカレーの器も必要だからな…やっぱりカレーパンを作るしかないか…」

「包むみたいなことですか?できますか?そんなこと…」

「できるはず…生地の時点で包んで発酵した後にあげれば行けるはず…」

「おお!なんかそれっぽい!!やりましょう!!油くすねてきます!!」


 ナンと同じ生地ですでに発酵が進んでいるものであるが、いったん伸ばし、そこにカレーを入れていくのだが、カレーが液体過ぎた…


 一旦カレーをドライカレーに近い状態にしていく…それを詰めていく…


 トムが戻ってからもう一度何度か繰り返し、脂を温め始める。


 うむいい感じだ…卵を溶いてパン粉を生地につけ、揚げていく…大体160℃くらい…


 いい感じだ…


 キツネ色に上がり、いったん休ませつつ、他のカレーパンの試作もしておく…半熟卵入りのヤツとかな…前世で一番好きだったカレーパン…贅沢マン!!!


 他にも中身の辛さを変えたモノ、具材を変えたものなどを生地に包んでいく。


 一旦上げたカレーパンを食べる…


「うんまっ!!!なんすかこれ!カレーライスと張るじゃないですか!!これは屋台で大好評間違いないですよ!!」


 オレの方はカレーが漏れ出していた…うん、包み方って重要だよな…これトムが作ったほうだよな…お?ナニ顔逸らしてんだ?あ?


 てなわけで再度作り直し…試作の方にもしっかり確認作業をして作っていく。


 できた!!人が寄ってきていたので配布して試食会、いつものメンツ!アーロン、ライアン、オル、ラヴェ、そして今日は副団長…このゴリラめっ!


 大好評となり、何個も揚げることになった…クソがっ!!


 ちょうどいいので非常食用に多めに焼いておいた。さらに屋台分…よしよし、下町にもこれを食らわしたる…泣いて喜べ!!震えて眠れ!寝すぎて寝違えろ!



 ◇◇◇


 その日の屋台の売り上げはすさまじかった…カフェにも注文が殺到して二窓体制でも生産が追い付かず売り切りとなった。


 カフェでは何度もメニューに加えてほしいという要望があったが未だに実現していない…ちょうどいい料理人が揃っていないし、カレーの生産も追いつかないし、生地こねるの面倒だしな…


 急募:生産ライン!!!って感じ…近くの空き家を使おうかと思ったが、犯罪防止の防衛費も必要になるくらいの熱狂だし、今なお下町が盛り上がり過ぎて王都が燃え上がりそうだし、メチャクチャ面倒くさいことになった…


 カレー恐るべき…仕方なく寝る間に色々と動かしてカレーを量産、パン生地も量産、死ぬほど包んでは、死ぬほど揚げておく‥


 こうしてカレーパンも熱狂を抑えつつ売り上げにつなげていった。しんどい…


 そのうちカレー店も増えるかと思っていたが、一軒もないらしい…誰か作れや!!


 貴族街でカレー店を出してた男を捕まえ、オレをオーナーとしたカレー屋『トム壱番屋』通称トムイチが下町と貴族街にオープンさせた…一気にいってやった!


 それはもう勢いという名に任せて一気に呵成に!


 気付いたらまた一年が終わろうとしている…え?カレーの1年?


 カレーはこの世界にもあったが香辛料の関係で広まらずにいた…そこにこれである…マイクは生産場所に直接おもむき、しっかり契約を取り交わしカレーをなるべく、流行るように促した。


 トムイチのカレールゥも爆売れし、旅の必需品となった。さらにカレー粉も売れ、王国の外では転売品が出回り、粗悪品も平気で出るようになった…


 まあ、そこまでは知ったことじゃないので、放置して王都での運営を頑張った…頑張って頑張って頑張ってしまった…カレーってすげぇと思いながら豚骨ラーメン食べていた…うん!ラーメンの方がいいな…この背徳感と止められない感じ…カレーとはバックグランドが違うわ…


 こうして8歳9年目が終わっていくのであった…



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