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第93話 8歳と9年目へ

 今年もまた下町の祭りに参加できず冬を迎えた…

 マジでミスった…ゴリラ副団長との仲直りやら、ココの冒険者見習い付き添いばかりしていたら、いつの間にか8歳の誕生日だった…


 魔法協会における適性検査が行われる12月25日…この日は我が家では大きなイベント〝マイク誕生日会〟が行われる。毎年の恒例になりそうだが所詮はみんなで集まって食べるだけである…


 仕方がないので今年も参加する。

 今年の参加者には去年同様に父と母、兄たちと婚約者たち、姉上となぜかいるサニヴ・オブライエン…姉上の婚約者候補お茶会に来ていた男がそこにはいた…なんだ?もう決まったのか?ケンドールさんもおるやん‥

 なんかこっちを見てニッコリ…怖いわ…ワタクシの誕生日なのに…おそろしいデスワ。


 あとは妖精パンがその辺を飛んでキラキラさせてる。見えない母上のために映像魔法で見えるようにしておいた…気が利くやろ…いくら家族に疎まれていたとはいえ、歩み寄りがあればこのくらいはするんやで…


 豪華な食事が並び冬とは思えないほどの彩りある品の数々となった…サニヴさんは目を瞬かせていた…去年のレキシー嬢のようだね…日ごろから買い漁ってはテキトーに保管しているヤツがいるからね…食料に関してはなんかメッチャあんねん!普段はもっと質素なんだぜ!!


 そうして食事を楽しみ、デザートも出てきた…今年はフルーツケーキだった…それぞれ好きなフルーツが添えられている。オレはキウイ…ふっ…酸味がいいぜ…


 プレゼントも受け取った…本やらペンやらアロマ、剣帯などなど…

 ありがとうございます。装飾品もあったけど、使う時も少ないし改造しちゃおうかな?


 無事誕生日会も終わり、婚約者の2人とサニヴは泊っていくらしい…勝手にしてくれ…なんで来ているのかもよくわからんし…勝手にして頂戴…


 こうして8年目の終わりを迎え、9年目に入ろうとしていた…まだまだやりたいことは多いがあっという間に社会にもまれそうな気がする。なるべく距離を取りたいものだ…一年早く冒険者登録できたりしないかな?


 ただ大掃除は大事!まだまだ今年は長い!5日もある!!しっかりいろんな場所を掃除しつつ感謝も忘れない…その間いろんな人が我が家に遊びに来ていたが知らん!ユニヴァース公爵もいたらしいが知らん。てかむしろ会いたくない…去年競馬で会ってるし…今年はいかなかったから忘れてもらってる可能性もあるがなんとなく覚えられてる気もする…なんとか回避していきたい。


 他にもライラ嬢の父君や、レキシー嬢の家族一同、さらにサニヴ・オブライエンの父君でもあらせられるオブライエン伯爵まで…こりゃ完全に婚約結びに来てるな…大変だぜ…となると…オレはブルースカイ辺境伯か?あそこに娘さんがいないことを願うぜ!!!


 そうして過ごすとまた新しき年を迎えることになった…


 今年もふわふわ生きていくことになりそうだ…同年代はいろんな場所で顔合わせを済ましているらしいけど、一ミリも興味がない…

 特に王都にいる貴族の大半の子どもがそういう社交を行い始めているらしい。去年まで姉が母上に連れられていろんな場所に顔を出していたらしい…


 そしてオレのターン…


 嫌だな…

 いつも通りパスだな…


 ここで母上と姉上をしっかり跳ね除けられるかがカギだな…


 そんなわけで訓練場に顔を出しつつ剣術を磨く…刀に詳しい人はいないのでまずはそこからだな…しっかり指導をしてくれる人をさがすことにしよう。


 カナタさん曰く特務のパステルさんは情報通なので詳しいということを聞き会いに行った…


 普段は事務処理をしているらしい。


「刀の指導ができる人?この大陸のモノじゃないらしいから難しいけど、鍛冶屋には聞いた?そっちの方が詳しいんじゃないかしら?」


 はっ!?それだ!!!

 なんでその考え方にならなかったんだ…


「ありがとうございます、パステルさん!行ってきます!」

「はいは~い…」



 ◇◇◇


「頼もう~~刀の使い手の居場所をおしえてくれぇぇ!!」

「あら、この前の…刀の使い手かぁ~?最近は見ないよねぇ~」

「いないんですか?」

「最後に見たのは10年前くらいかね?若い男だったから今でも生きてるんじゃないんかい?」

「指導者とかいないんですか?」

「軽くなら父ちゃんが教えられるさ、今呼んでくるよ…」


 お願いするとこの前の鍛冶屋のおっちゃんが出てきてくれた。


「ワシが指導か…ワシが刀を打ち始めたのはいい切れ味のナイフが欲しかっただけだからな…しっかり剣術を学んだわけではないんじゃよ…」

「え?」

「あわてるな…刀を振る際の極意だけはしっかり憶えておる…

 刀の行く先に体を合わせるということじゃ…」

「…は?」

「刀を振るというよりついて行く、振られることなく合わせに行く…振るべき先は刀が知っている…それが極意じゃ…」

「……」


 言わんとしていることのレベルが高すぎるせいか全く入ってこない…刀を扱えるようになりたい奴に刀に導いてもらえって言ってるんでしょ…それは…どうなの?アリ?


「振って身につけるしかないわけ?」

「そうなるな…あくまでも刀は何かを斬るためにしか存在していない…その使い方もいずれ見えてくるじゃろう…」


 何のヒントも得られず鍛冶屋をあとにすることになった…

 今後は刀との対話が増えそうだ…

 まずは始解、いずれ卍解できるように頑張ろうな!

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