第86話 アクアリウム
屋上庭園がクサい…
先日捕まえてきたザリガニがとんでもない異臭を放っていた…放置してたのは悪かったけど、誰かしら気づいてそれなりに対処すると思ってたんだ…
だが屋上庭園にいるのが人外であることを忘れていた。天の透けや悪魔たちに嗅覚はなくクサいという感覚がないらしい。そりゃそうか…急いで換気を行い、ザリガニの処理に取り掛かった。
といっても水取り変えて引き続き泥抜きをする。エサも与え、テキトーに切り身状態にした鶏肉や藻を与えておく…美味しいもん食って早くキレイになってほしい。浄化かければマシになるのかと思っていたが、ずっと臭いので表面上は何とか出来ても体の内側からはどうにもできないもんということは学べた。
なぜ、ザリガニを放置していたかというとビオトープっぽい環境を作り上げて苔トレントと核だけゴーレムの様子を見ていたからである。今のところ進化の形跡は見られない。核ゴーレムの進化先が苔トレントであることは鑑定魔法で分かっているが、進化条件までは分かっていない。
そのため環境を整えたわけだが…こいつら魔物のくせにおとなしすぎる。余裕で使役できる。もっと自然の摂理を見たいのにこっちがエサをあげていることに気づいているので困る。こうなると進化条件が分かるはずもなくない?人工的な進化はお呼びじゃねぇんだよ!!!
そんなわけでザリガニも含めビオテープを形成することにした。敵がいればちゃんと危機感覚えて進化するだろ…
水草などとってきて砂利や砂、石、小魚の棲み処を作り、縦長に水槽を作り観察していくことに決めた。
ただ酸素のブクブクがないことに気づいた…
いらないかな?
2日後魚が酸欠で浮いていたのでブクブクを開発することにした。売ってなかった。この世界では魚を育成する趣味はまだないらしい。将来的には水族館でもやってやろうと思った。
そのためにも酸素をぶち込む魔道具を作ることにした。久々の工作だな…特に利益もないだろうし、できたらと特許申請をさりげなくしておけばいいだろうと思いながら魔道具作りを開始した。
といっても水槽の上に機体を取り付けて端にホース突っ込んでブクブクさせるだけだけど…
風属性適性の魔石に魔力入れて組み込む刻印魔法は風属性の空気を送り込む魔法…エアポンプでいいかな…
気候の仕組みは、えぇ~~っと……空気が上に抜かれないように整えればいいかな…
スライム素材をちょちょいとつければ問題ないかな?注射器みたいなものだよな…
分からん…なんでだ…あれってメチャクチャムズイ技術だったのか…メチャクチャ軽く見てた…
もうちょい深く考えよ…
空気を底に持っていくために圧力が必要でそれには魔法の力を使う。なので空気を取り込む機関で空気が漏れないような気候が必要なわけだ…
これができない!
いや難しく考えすぎか…
ホースから空気を出せればいいんだから、難しい機構なんて必要なんないんじゃないか?
レモンスカッシュをストローを飲みながら考えているのであった…
目の前のヒントに気づくこともなく単純に空気をホースに向けて打ち出す形で作られた。エアポンプをさっそく設置して水槽で稼働させてみる。逆流する問題が起こったので力配分でそれなりに抑制でき、水が押し寄せてきても大丈夫な弁を考えてみることにした。
こっちにスライム素材を持ってくればいいな…と思ったが機構が分からん。気にする必要ないかも…
問題なく稼働しているし、うん大丈夫だな…
無事人工的なビオトープが完成した。これはビオトープって言わないのか…?アクアリウムか…まぁなんでもいいや、微生物も生まれて上手いこと自然の弱肉強食の循環ができればよい…
しばらく小魚やザリガニ、核ゴーレム、苔トレントの動きを眺めていた。三者三様に棲み処を決めてなんとなく共存できている。共栄できるかはこれから次第ではあろうが楽しみである。
ちなみに小魚は山に行ったときに上流で見つけてトムが持って帰った獲物たちである。
今思い出したがその最後につったオオサンショウはアーロンの小屋の近くにワイドな水槽を作り保管している。動く様子はなく何を食べるかは未知数でいろんなものを上げている。とりあえず量の余ったザリガニたちをソコに持っていくことにした。
「坊ちゃん…なんですかい、それ?」
「ザリガニ…食べる?」
「いりませんぜ!この水トカゲのエサでしょ、早く入れてくだせぇ」
「ホイホ~イ、ほほいのほ~い!!くっさ!!!!」
こっちの水槽もクサくなっていた…最悪…水を入れ替えてエアポンプも即席で作り、つけておくことにした。あとは蓋をして暗い空間を作っておく。これでよし…
「で、それどうするんですか?」
「飼うよ~」
「勘弁してくださいよ、屋敷を動物園にするつもりですかい?」
「いいねぇ!そうしちゃおっか…」
「うわっ、余計なこと言った…!!マジでやめてください…」
「あはは…冗談ジョーダン、マイケルジョーダン!ある程度実験が終われば元の場所に帰すか、処分するよ」
「ああ、それなら良いのですが…」
このあと、しっかり特許申請をして無事受理されるのであった…
今の親父世代が言わないオヤジギャグが出てるわ…
引くわぁ~




