第537話 初恋の行方は?
「ここで、この部屋であの長く悲しく、苦しい旅とやっと会えた二人が本当の祖父と孫の関係になった場所·····」
ブツブツとうるさい太郎だった。
「ねぇ、私達までついてきてどうするの?」
「私に訊かれても····」
「そうね。仕方がないから後は太郎様に任せましょう。」
「「マリーダ、丸投げ?」」
「だ、だって太郎様があのペリーヌって娘の事しか考えていないからしょうがないかと思います。二人はどう思いますか?今の太郎様を見て。」
二人は悩み、そして
「「太郎に後は任せましょう。」」
結局意見は一緒だった。さすが、前世からの仲良し幼馴染三人組。
そんな話をしていたら、先にペリーヌが現れた。
「皆様お待たせしまし。」
「ペリーヌ、いやいや、全然待ってなんかいないから。寒いから一緒に暖炉で暖まろう。」
「太郎様、恥ずかしいです。」
太郎は無意識にペリーヌの肩を抱き、手を握り、一緒にソファーに座った。
「な、何アイツ!」
「まったく手が早いなんてものじゃないね。」
「た、太郎様、私の胸に剣が刺さったように辛いですわ。」
三者三様。そんな事もお構いもせず、太郎はペリーヌにベタったり。
「太郎様、この体制ですと話しがしにくいので普通に座りませんか?」
そう、ペリーヌの言う通り。太郎はペリーヌにベッタリどころか、太郎はペリーヌを後ろから抱きしめたままソファーに座っていた。
さらに、太郎はペリーヌの耳元に息を吹きかけながら囁いていた。
「ペリーヌ、聞いて欲しい。君は俺の初恋の人でもあり、理想の女性なんだ。だからもう君を絶対に離さないから。」
「あん、た、太郎さま。」
ペリーヌはそんな事を誰からも言われた事が無かった為、免疫がない。
耳と顔を真っ赤にして、太郎の甘いセリフを訊いていた。
すると、太郎は右手でペリーヌの顔を優しく包み込み、後ろにいる太郎の顔の近くまで寄せていた。
ペリーヌは無意識に目を瞑り
太郎はそのままペリーヌにキスを迫った。すると。
「そこまでじゃ。儂がいる所で何をしている。早く孫から離れろ!」
太郎は軽く舌打ちをし、ペリーヌから離れた。
おじいさんがいるところで····いや、他にも三人いましたけど、完全に空気になっていた。
一人は
「アイツ、元の世界に帰ったら絶対にボコボコにしてやる。」
もう一人は
「太郎、元の世界に帰ったら魔族総出でくすぐりの刑にしてあげる。」
最後の一人は
「太郎様の浮気者!元の世に戻りましたら、一週間は寝かせません。絶対に。寝ている時も、必ず繋がったままにします。」
いや、最後の人がなんか一番怖いッス。
「で、おじいさん。俺はこの村と工場を守る為に呼んだんですよね。」
「その通りだ。儂の情報では、近いうちに必ず大きな戦争が始まるはずじゃ。」
「た、太郎様。助けていただけますか。」
「おじいさん、俺の全部の力を使って誰も手が出せないようにする。その代わりに、ペリーヌとの結婚を認めてくれ!」
「なんじゃと!」
「「「やっぱり。」」」
呆れた3人娘。
「はい。太郎様。私太郎様のお嫁さんになります。」
「「「「え?」」」」
意外なペリーヌの即答に、4人は驚いた。
「ペリーヌ、一緒このパンダボアヌを守り、発展させていこう!」
「はい!」
「「「え?コイツ帰らないつもり?」」」
今、太郎の初恋は叶ったのであった。
めでたしめでたし。
いつも最後まで呼んで頂き、本当ありがとうございます。
相変わらず誤字が多くてすみません。




