第530話 誰この人?
「太郎、お主に我々を助けて欲しいのだ。」
「おじい様、その先は私から説明させて下さい。」
少し切羽詰ったビルフランとは違い、やけにニコニコして冷静なペリーヌがそこにいる。
太郎は相変わらず、興奮が収まらないのか、ハァハァしていた。
「太郎様、今おじい様と私はある病気になってしまい、おそらくそう遠くには生きている事が出来ないでしょう。」
太郎は…………ん?これは流行り病か?と思ったら、少し違うようだ。
「太郎様、私達の病気は3次元病だと言われまして、このままでは2度と2次元の世界に戻る事ができなくな、このまま3次元の世界で生きていかなくてはならないのです。なので、2次元の世界のおじい様と私は死んだ事と一緒になってしまうのです。」
ペリーヌがまだ小さく華奢な体で身振り手振りで説明をしているのだが、太郎はまったく話を聞いていなかった。
そう、ずーっとデレデレしながらペリーヌを愛でていたのだ。
ペリーヌの説明は続く…………
「ですので、是非太郎様の力で私達を元の世界に…」
ペリーヌの説明の途中でいきなり太郎がとんでもない事を言い放った。
「え?ヤダ。てか、こっちに残ればよくね?だって、俺はマジペリーヌの事好きじゃんか?だから俺的には丁度言い訳じゃん。あ、俺ってちょーラッキー!ね?これってアリっちゃアリだよね?うわっー、俺って天才?やったね!これからペリーヌと毎日イチャイチャできるなんて、パラダイスじゃん!」
……………えーと、この人は誰でしょう?
3人娘やペリーヌとおじいさんがポカーンとしている。
「あ、それより今から一緒に住む家とか見に行く?てか、俺が作っちゃえばいいか。よし!俺とペリーヌが住むお城を作るか
。あ、やっぱ女の子はこんなお城に憧れるから、シンデレラ城にしちゃっても良くね?はぁ〜、これから毎日シンデレラ城でペリーヌとイチャコラ生活が、ぐへっ!」
怒り心頭のビルフランからの会心の一撃が太郎の脳天にめり込む。
「ペリーヌ、帰るぞ。コイツはタダの変態だ。コイツに儂らの病気を治す事なんてムリじゃ!なんせ、タダの変態じゃからな。」
3人娘は何がなんだか分からず、ただボーゼンと見ているだけだった。
ビルフランは魔王城から外に出ようと、ペリーヌの腕を引っ張って行く。
「ま、待って。おじい様、お願い、待って!」
ビルフランがペリーヌを連れ去っていくのを黙って見ている太郎ではなかった。
すぐさま、瞬間移動でビルフランの前には立ちはだかり先ほどとは違った真剣な表情だった。
「ビルフランさん、すまなかった。話はちゃんと聞くから、まだ帰らないでくれ。」
太郎は一体何がしたいのだろうか?
長い闘病生活とリハビリにより、やっと少しだけ小説を書く事ができました。
まだまだ小説を書く量とスピードは前よりありませんが、なるべく投稿したいと思います。
いつも読んで頂き、本当にありがとうございます。




