さらに、謎の人物が…………
三人は慌て太郎に駆け寄ったが…………
「あ、転けた。」
一番どんくさそうな王女のマリーダが派手に転けた。
それを見た魔王のセーラがマリーダに駆け寄り、抱き起こしていた。
それに気がついたマリーも走り出そうとしたら、太郎に腕を掴まれそのまま太郎に引き寄せら、抱きしめられた。
「なっ!」
マリーは太郎にいきなり抱きしめられた事に前世の嫌な記憶が甦り、ガタガタと震えだした。
「や、やめて。ごめんなさい………
」
太郎はすぐにマリーの異常に気付き、すぐにマリーを床に座らせた。
「これはかなりのトラウマだな。」
太郎は自分が思っていたより酷い目にあわされていた事に気がつき、すぐにマリーと距離を置いた。
「太郎、マリーに一体何をしたのですか?」
セーラに寄りかかりながら近寄ってきたマリーダに太郎は…
「いや、ただ腕を引っ張って、抱きしめただけだったんだけど……………ごめん。俺の思っていた以上の事だったんだな。」
キッ!と二人に睨まれる太郎。
二人はマリーを抱き抱えて太郎の後ろに下がった。
「後で謝罪と賠償を求めます。覚悟して下さい。」
マリーダにとんでもない事を言われた。
「さて、いい加減俺様をムシするのをやめてもらおうか。」
太郎は突然乱入してきた人物の事をマリーとマリーダの発言ですっかり忘れていた。
「悪い、お前の事すっかり忘れていた。」
ギリッ、と太郎を睨む謎の男。
「貴様、今の言動で俺様を怒らした。よって謝罪と賠償を要求する。」
太郎は呆れた声で
「お前もかよ。」
「お前ではない!俺様は邪神クローイだ!」
「ブッ!」
太郎は思わず吹き出した。
「何がおかしい!」
「あ、いや、だって………ぶぶぶぶ、邪神クローイって………ぶっは!邪神が黒いって当たり前みたいな名前…………ぐっ………はっはははは。笑わせるなよ。」
太郎の後ろに隠れていたマリーダとセーラがクスクス笑っていた。
「て、てめぇら!絶対に許さないからな!」
「え?どう許さないの?」
「死をもってその罪を償え。」
「はっはははは。死をもってその罪を償えって、なんの罪だよ。お腹痛いからいい加減に笑わすなよ。」
太郎とマリーダ、セーラはお腹を抱えて笑っていた。
マリーもようやく落ち着いたようで、少し笑っていた。
「な、何がおかしい?俺様は邪神様だぞ!」
「は、だから?ってか、その中二病的な発言はやめろ。笑っちゃうから。」
すると、今度は天井から
ズッガガーーーッン!
天井が崩れ、また一人の侵入者があらわれた。
「またかよ。」
なかば呆れた太郎は新たなる侵入者にゲッソリした。
新たなる侵入者は周りを見てとんでもない事を言い出した。
「我こそは悪神ワールである。お前達にもう未来は無い。」
太郎は一気にワールとの間をつめて、ワールに殴りかかった。
「ぎはっ!」
何とも言えない声を上げて、ワールは侵入してきた天井に向かって吹き飛んだ。
それを驚いて見ていたクローイの後ろに太郎は瞬間移動し、クローイの腕を掴み、そのままクローイが侵入してきた外に投げ飛ばした。
「ガッアーーーーーーーッン!」
太郎は侵入してきた、邪神やら悪神を簡単に蹴散らした。
しかし、今度は壁や天井を突き抜けてはこなかった。
「ふぅ、またか。今度は一体どこ誰だ?」
その一瞬の出来事を呆然と見ている三人。
「なぁちょっいいか?三人に聞くけど、あのバカに心当たりは無いのか?」
「え?」
「いや、だから…………まぁ、いいや。場所を替えて話をしようか。」
すると部屋全体が光に覆われ、太郎を除く3人はあまりの眩しさに床に顔を伏せた。
「ちっ、今度はやっかいだな。」
太郎はすぐに3人はに指示を出す。
「三人共、早くこの場から逃げろ!地下でも空でもいいから、はやくしろっ!」
しかし、三人はまだ固まったままだった。
いつも最後まで読んで頂き、本当にありがとうございます。
あまり間をあけずに頑張って更新しようと思っています。
これからも、よろしくお願いします。




