悪者は太郎?
三人の美少女がソファーに座り三人の美少女に対面して太郎もソファーに座る。
「それで、セーラは一体何がしたいんだ?お前のせいで世界の危機に陥っているのに。」
太郎はこの時点で、魔王セーラが答えられるよう殺気を緩めた。
「……………その、魔族は力がすべてだから、人間に遅れを取る事が許されないっていうか………。」
太郎の質問に対してあんぽんたんな答えをする魔王セーラ。
それに対して太郎は頭を抱えうつむいた。
「はぁー、セーラ。俺の質問にはちゃんと答えてくれ。お前が原因で今大変な事になっているのはわかるか?」
魔王セーラは静かに頭を縦にふった。
「じぁなんでおれに勝てもしない戦いを挑む?それより早く俺にお前の体の状態を見せ、治療するのが先だろう?」
「でも、魔王は勇者に戦いを挑まれたら闘う事が当たり前なのよ。だから勇者太郎に戦いを挑んだの。」
太郎は一瞬呆けた。
「ちょ、ちょっと待て!今なんて言った?」
「だから魔王は勇者と闘う運命なの。」
さらに太郎は唖然とした。
「………………セーラ、話がどんどん変わっているぞ?」
「私は魔王なの。だから勇者は殺さなくてはいけない存在?」
「………………なんで疑問系なんだよ。しかもまた話が変わってるし、しかもえらく物騒話になってきやがる。」
四人の間にしばし沈黙が流れる。
「セーラ、とにかく早くに俺に体の状態を見させてくれ。」
すると三人の美少女が
「「「エッチ!」」」
もう、太郎はどうしていいかわからなくなってきた。
「お前ら………………。」
「この男、やっぱりスケベな奴だったんだ。初めて会った時から私の体を舐めまわすように見ていたんだから。特に胸とか!」
突然話に割って入る、領主の娘マリー。
太郎はもうなにがなんだか分からなくなり、あまりにも謂れのない事を言われて段々と怒りに満ちてきた。
(まぁ、確かに今見たらマリーの胸でけェなぁ~。)
見も蓋もない太郎だった。
「この男、私がメイドの格好していたから、本物のメイドと思って、あのイヤらしい目で私の服の中まで覗いて楽しんでいたのよ。だからセーラもきをつけて。体の状態を見るとか言ってセーラの体を見たり触ったりしてくるから!」
とんだ冤罪に太郎はかなり呆れた。
「マリー、お前ちょっとうるさい!」
太郎は今度は魔力を込めた殺気をマリーに向ける。
すると、マリーは徐々に震えだし、歯がガチガチと鳴り出した。
太郎からの本気の1/100の力の殺気にはさすがに一般人の女性には耐えられなくなった。
ソファーから床に水瓶座落ちる音がしだした。
マリーはあまりの恐怖に失禁してしまった。
「太郎!あなたちょっとやり過ぎだからやめてあげて!」
ずーーーっと会話に参加しなかったもう一人の美少女、マリーダ王国が叫んだ。
太郎は、なぜ今日に限って俺ばかりが悪者になるんだ?
と、太郎は久々に女運の悪さを引き当てた。
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