第44話 謎の軍隊
なるべく誤字脱字がないよう点検はしてますが、もし見つけたらスリーでお読み下さい。
後日、セリフの変更や追加がある場合があります。
あれから、お花摘みに行ったヒトミが帰ってきて、みんなを紹介した。
「椿さんって、王女様コレクションをしてるんですか?」
(誰が、誰をコレクションだって?)
「あっ、私は違いますよ。私は彼の通っている学校の先生です、」
先生がきっぱりと断言した。
「あっ、ヒトミこの辺りで宿屋あったかな?」
ヒトミ「宿屋ですか。この状態だと無事にあるかどうか…………」
「出来れば落ち着いた場所で話ができる所があればいいんだけど。どこかにないかな?」
ヒトミ「う~ん、一応宿屋があった場所に行ってみましょう。こっちです。」
ヒトミがすぐに案内してくれた。
「じゃあ、みんな行こうか。」
ヒトミに連れて、テクテクと歩く。
5分程でその場所に着いた。
「ここ?」
ヒトミ「はい。そうですよ。」
ヒトミが教えてくれた場所に建物らしき物が一切なかった。焦げた木材が積み重なってるだけだった。
「どこかに寝泊まり出来て、ゆっくり話が出来る場所はないか探そうか。」
僕が提案するも
「椿君、私達が見て回った場所は、そんな所なかったわよ。」
「そうですか。…………先生次の街か村ってここからどれぐらいの場所にありますか?」
ヒトミ「次の街までは、馬車で2日程で徒歩だと4~5日かかると思う。私は行った事あるから。」
「先生どう思います?すぐに次街までいきますか?」
「そうね。でも今日はもう時間無いから、どこかで野宿ね。それで明日朝から行きましょう。」
ヒトミ「はいっ、はいっ、は~いっ!ちょっと提案があります。」
「びっくりした~。」
「提案って何かしら?」
ヒトミ「私がいた地下室なら、少しはゆっくり出来ると思って。地下は三層からになってるけど、地下1階はみなさんが入ってもまだ少しは余裕があるから、そこで寝ることも出来ますよ。」
「う~ん、そうね。時間も無いしまだみんなの話を早く聞いておきたいからそこに一晩だけお邪魔しましょう。」
ヒトミ「本当ですか?…………良かった~。また1人だと思うと怖くて。」
「なら、今晩は大丈夫ね。強い番犬もいるから。」
「ワンッ!」
(くっ、誰が番犬ですか。ったく。)
「じゃあ、シーバ、一緒に馬車を取りに行こうか。」
シーバ「あっ、はいっ!太郎様、では行きましょう。」
「ストープッ、誰がデートしていいなんて言ったの?椿君、1人で馬車を取ってきなさい。もう、路上検定終わって、卒検ぐらいに扱えるのだから、練習がてら1人で馬車を動かして持ってきなさい。」
(卒検って、教習所じゃあるまいし、せっかくシーバと二人で話をしたかったのに。)
「はい、そこでふてくされた顔をした椿君、早く取って来なさい。」
「わかりましたよ。1人で馬車を移動すればいいんでしょう?」
「じゃあ、ヒトミさん、地下室の場所まで案内してください。椿君は後から馬車を持ってきますから。」
ヒトミ「じゃあ、さっきの場所まで戻りますね。そこに地下室がありますから。」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
しかし、酷い有り様だな。やっぱり昨夜の軍隊の仕業かな。でも一体何の目的で?不思議なのは、これだけ酷い状態なのに死体とか死体らしき物すら無いのが1番おかしい。
普通、戦闘があれば、死体は残るし、言い方が悪いけど、肉片や血の跡すら一切無いのが、凄く不気味だ。
こんな事をする奴らには会いたくないな。
そんな事を考えながら馬車のある所まで歩いていた。
すぐに馬車が見えてきて、馬もいるし、何事もなかった事に安堵しながら馬車の近くまできていた。
その時、太郎のレーダーが警報を鳴らす。太郎はレーダーを見て愕然とする。
(なん、何これ?)
太郎のレーダーは半径3キロまで探知する事ができる。しかしそのレーダーには敵を表す真っ赤な表示が埋め尽くされ、正確な数が分からない状態だった。
(ったく。シーバ連れて来なくて良かったよ。もしかして、先生には予知能力でもあるのか。)
太郎もさすがに、これだけの人数を相手にどこまでやれるか、かなり不安だった。
(でも、僕が殺られたら香織には二度と会えなくなるし、先生やみんなもどうなるかわからない。死ぬ気でやってみるか。魔法が使えないけど、僕の肉体の限界と、人間の脳はどんな人でも30%ぐらいしか使えないらしいけど、今の僕はほぼ100%使えるからやれるだけやってみる。
(太郎は、昨夜みせた剣激をさらに多く出せるように、集中しろっ!)
太郎は今までに無い程、持っていたショートソードに集中し力をためていく。
(集中しろ、もっと、もっと、もっと。ショートソードに力が伝わるように。)
太郎のアラームはなりっぱなしだ。敵もどんどん近づいて、数も信じられないほどに増えてる。
(これなら、先生も気がついて地下室にみんなで逃げてくれる。)
太郎の中で、信じられない程の力の光がショートソードに集まってきた。
人間の脳は、なぜ残りの70%以上を使わずに休ませておくのかは、今の科学では解明出来ていない。
しかし、ある学者の仮説で、もし人間が自分の脳をすべて使えるようになると、超能力者のようになれる。なんて話もあるが、全部を否定できない事が今目の前で起きそうだ。
(集中!あ~っ、わかる。力がどんどん剣に集まってきている。あっ?余計な事を考えても集中できてい
る。レーダーの音うるさいなぁ。それより敵の数、っぱないです。えーと、30万ちょいか。この軍隊を指揮してる奴がいるはずだけど……わからん。今ためた力の一撃でなんとかなればいいんだけど。)
太郎はショートソードを横に構えた。
なで斬りしてある程度数を減らすつもりだ。
いよいよ、ショートソードの光が眩しく見てられない状態になって、太郎は無言で剣を横に振り抜いた。
その瞬間「ピカッ!ドガガガガガガッーン」信じられない光と共に物凄い爆発音が鳴り響く。
太郎は振り抜いたショートソードを見ていた。そして、ショートソードは砂のように「サラサラサラ」と消えてなくなってしまった。太郎の力に耐えられなかったみたいだ。
太郎はもうろうとして、立っている事も辛く両膝をついた。
「ハァハァハァ、ダメだ。力を使い過ぎたのか、もう気が遠くなりそうだ。
でも、残りの敵は…………レーダーで確認しなくちゃ。ハァハァハァ。ダメだもう、」
目の前に先生が泣きながら近づいてきた。
「せ、せんせ。敵は……」
太郎は先生の腕の中で気を失った。
いつも読んでくださり本当にありがとうごさいます。
いつもの事ですが、みなさんからの感想などお待ちしてます。




