表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
LEGEND MONSTERS(レジェンド・モンスターズ)  作者: プリンアラモード
第2章 アレクの館
12/54

Episode11 地下牢からの脱出(前編)

 鉄格子の中に放り込まれてもう3日が経った。そして、リドナー、バーロン、テーラは薄暗い地下牢のの中、独りぼっちでとても寂しく感じていた。

 今日のご飯はカレーライスであった。久しぶりに食べるうえ、僕の大好物なはずなのに薄暗い牢屋の中、1人だけで食べるカレーは、あまり美味しくなかった。


 * * * * *


 その頃、テーラはというと...

 人生でこんなにまでも仲間を恋しく思ったことはない。そして、妙なことに私はリドナーのことが1番心配だった。なぜかわからないけど...。

 

 数分後、おそらく昼食だろう。ゴロッとした野菜や牛肉の入ったカレーライスが提供された。

 カレーは中辛だった。程よい辛さなはずなのに、味が全然しない。もちろんこれは感情によるものだろうから実際には味がするのだろうが、この状況では味がしてもどうせ不味いだろうと私は思った


 * * * * *


 そして、バーロンも提供されたカレーライスをあまり美味しくないと感じていた。さらに、食べ終わった後にはグチグチグチと愚痴を言っていた。

 「全く何なんだ?あのカレーは!俺の知ってるカレーじゃなかったし!」

グチグチグチと、俺は愚痴を続ける。

「だいたい、カレーライスをこんな薄暗い牢屋の中で、しかも独りぼっちで食べたって美味しいわけないだろ!俺たちは毎日、トイレで昼飯食ってるようなボッチとは違うんだよ!」

俺はボッチたちを少々バカにしながら、そんな愚痴を言う。まぁ、誰も聞いてはくれないのだけど...。


 * * * * *


 僕は脱出を試みるが、ドアから出ることはまず不可能だとわかっていた。なぜなら、外から鍵が掛けられているからだ。それを、鉄格子からドアの方を覗いて悟っていた。じゃぁどうしよう?と周りを見渡す。

 ん?あれは...。石のベッドの後ろにやけに澄んだ水があった。しかも、桶などに入っているのではなく井戸のように深い穴に入っていたのだ。こんなに澄んだ水が囚人用のトイレであるわけがない。おそらく、飲み水だ。(まぁ、飲む気はないけど。)これだけ澄んでいれば泳ぐ気だって湧いてくる。こうして、僕はその中へと入っていく(ポケットにはなぜかゴーグルが入っていた)。

 底に着いた。しかし、小さな穴があるだけでとて脱出出来そうではなかった。いや、この先に何かあるかもしれない!どっちにしろ決めるのは次の潜水で、だ。息が持たない。僕は息継ぎのため、水面まで戻る。

 そして、また潜る。今度はさっきより早く底に着いた。さらに、さっきの穴を見ると、その大きさは人1人が入れるほどであった。

 入ってみるか...。

まだ息は続きそうだったので僕はその穴の先に行くことにする。

 息ができなくなってきた。しかし、出口はすぐそこだ。だから、我慢する。

 よかった。息が完全にできなくなる前に出口に出ることができた。

 そこは地下用水路だった。そして、壁にあったコルクボードには紙が貼ってあった。そこにはこう書かれていた。

______________________________________________________________

脱獄を試みた者たちよ。よく聞け。

この用水路にあるいくつものはしごはどこかのマンホールに繋がっている。

私は横のはしごを勧める。その先は囚人の荷物が置かれている倉庫だ。

中には見張りもいないし、自分の荷物を持っていくと良い。

では、健闘を祈る...!                         J

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

 J?これを貼った人の頭文字か?それとも、罠か?だが、どっちにしろ今は信じるしかない(まぁ、用心に越したことはないと思うけどさ...)。

 そして、僕はコルクボード横のはしごを上り始めた。

次話は中編です。この「アスト村の地下牢から脱出せよ!」は全3部からなる長編小説にしたいと思います。

______________________________________________________________

「妙なことに私はリドナーのことが1番心配だった。なぜかわからないけど...。」

ところで、テーラのシーンの中に出てきたこの言葉...

非常に鋭い人なら理由がわかるかもしれませんね。

※ネタバレになる可能性がございますので分かったとしても公にはしないでください。

また、理由がわからない方でもこの時点では鈍いわけではないのでご安心ください。

‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ