3話 友情
1話、約1000文字で
のんびり更新です。
「野島。これあげるわ」
「…ありがとう?……なにこれ?」
「バッグクロージャー」
「うん。パンの袋とめるやつな。それは分かる。
で、なんでくれたん? 意図が見えへんねん」
「ポケットに入ってたからやん」
「え、俺へのプレゼントの選定基準ゆるない?
もしかして俺のことバッグクロージャーコレクターやと思ってる? 全然いらんで?」
「でも“ありがとう”って言うてたやん」
「そりゃ物もらったら反射的に言うやろ。それに疑問符もついてたやん。
“ありがとう?”てちょっと困惑してる感じ伝わったやろ。
顔もキョトン顔やったやんけ」
「いや顔はずっとゴリラやったで?
まあそれ大事にしてな?」
「え、捨てさせてくれへんの?」
「んー、捨ててもええけど、“野島はそういう奴なんや”ってなるなー」
「ゴミ渡されてそれは罠すぎるやろ。
今後お前がポケットに手入れる度にハラハラするやん。
捨てたらアカンのやったらコレどうしたらええねん」
「飾ってもええし、財布に入れてもええし」
「飾るって、それはそれで、別の感じで“野島はそういう奴なんや”ってなりそうやん。
財布に入れても、レジで間違って出してもうた時、気まずいやろ。」
「いや、間違って出すことはないやろ。
でもほら、子供から初めて貰ったプレゼントとかを大事に保管する親、ようおるやん。
言うたらこれも俺からの初めてのプレゼントやし」
「同級生からもらったバッグクロージャーにそんな重みないねん。 あ、ほんなら俺も松崎にプレゼントあげるわ」
「おい、ポケット探るなや」
「ほい」
「…コンビニのレシートやん。
なんでツナマヨのおにぎり3個買ってんねん」
「別にええやろ。俺は好きなおにぎりだけを食いたい派やねん」
「てかこのブラックコーヒーは何なん?飲めへんくせに何で買ってんの?」
「それはツナマヨ3個っていう偏りを大人っぽさで相殺する為に決まってるやん」
「決まってるんや。知らんかったわ。
まあええわ。財布に入れとく」
「あ、入れてくれるんや。
まあ俺の生き様が詰まってるしな。大事にしてな?」
「いやツナマヨと見栄しか詰まってないで?」
「でも誰かとプレゼント交換とか久しぶりにしたかもしれへんなー。これが青春かー」
「お前の青春はそれでええんか?
まあ喜んでくれたみたいで嬉しいわ」
「友情ってええなー」
「せやなー。あ、財布失くすかもしれへんから、帰ったらレシートはゴミ箱に保管しとくわ」
「早速友情の証、捨てる気しかないやん」
「いやいや、ちゃんと思い出用のゴミ箱やから」
「何やねん思い出用のゴミ箱て。
嫌な思い出の捨て場っぽいやんけ…って家着いたわ」
「ほな、また明日なー」
「ういー。レシート捨てんなよー?」
「・・・」
「返事も、振り向きもせえへん!」




