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2話 導入

1話、約1000文字で

のんびり更新です。


「松崎、知ってるか?」



「知ってるで」



「まだ言ってへんやん」



「そういう導入苦手やねん。

こっちに振ってるようで振ってない中途半端感が」



「じゃあ何て言えばええねん」



「“今から話す内容を聞いた上で、知ってるか教えてください”って言え」



「いやその導入の方がウザイやろ。

じゃあ、とりあえず今から話す内容を聞いた上で、聞いた事あるか言うてー。最近ーー」



「やっぱちゃうなー。

“もしかしたら知ってるかもしれんけど聞いてから判断して”とかの方がいいかもしれへん。」



「もう導入はええねん。とりあえず知ってるかもしれん話するわ!最近ーー」



「やっぱ、“かもしれん”ってなんか自信なさげな感じが嫌やわ」



「聞く気ないやろお前」



「俺だって余計な雑音なしでスッと聞く体勢に入りたいねん」



「じゃあ導入なしで普通に喋るから聞いてや。…話すで?」



「話すで?が既に導入になってんのよなー」



「最近ーー」



「そのままいくんや」



「俺らの学年でカラオケアプリ流行ってんの知ってる?」



「そうなん?」



「うん。ほんでな、俺も流行りの波に乗ろう思って登録したんやけど、流行りの“後発組”って“先駆け組”にフレンド申請しづらいねんな。…どうすればいいと思う?」



「知らんわ。

てかまず皆どんなノリでそれをやってるん?」



「流行りの歌をあげて褒めあったり

友達同士のデュエットあげたりして、それにいいね送りあってる感じやな」



「それ何が楽しいん?

てか普通に申請してイイネしたらええやん」



「無料でカラオケできるし、人に反応もらえるから楽しいんやろ。

俺が急にイイネしたら、“うわ、こいつ流行り乗ろうとしてきてる!”ってならん?」



「ならんて。誰もお前のこと、そこまで注目してないて」



「え、それはそれで凹むわ

でも俺、歌ってへんのにさ、イイネだけ押してたら“監視してる奴”みたいにならへん?」



「それは確かにちょっとキモいな」



「やろ?やからまず歌をあげて、バシッと『こいつやるやんけ!』って思わせなあかんねん。何歌えばええんや…」



「“ハッピーバースデー”とかでええやん。

あれ歌ってる時って大抵盛り上がってるし」



「いや、それ祝われてる人がおる前提やろ。

ハッピーバースデー ディア〜の後の歌詞どうすればええねん」



「エブリワン とかでええやん。

ほんでさっきみたいに導入を入れたら個性も出せて完璧やと思うで?」



「さすがに歌う前に、“知ってる歌かもしれへんけど聴いてから判断して”とか言われへんわ」



「そもそもお前、歌唱力はどうやねん」



「あー今度カラオケ行こうな?」



「自信ないんやな。行かへんで?」



「ほいじゃとりあえず、カラオケの日程決まったら連絡するわ」



「行かへんで?」



「家着いたし、また明日詳細詰めようや」



「詳細より先に耳が詰まってるやん。行かへんで?」



「ならまた明日ー」



「行かへんからなー」




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