第17話:武闘派女子高生触手凌辱
「これで勝ったと思わないで」
絶望的な状況であっても、マフユの毅然とした眼光は歪んでいない。だが彼女の声は虚しく夜闇の底へ吸い込まれていく。
肉管の群はより激しく少女へ絡み巻き付くと、ブレザーの袖口や裾回りを割り開き、その内側へ侵入を開始した。
汚液で濡れそぼった衣服を押し上げ、ワイシャツも力尽くでずらし肌蹴させながら、少女の柔肌へ這い上る。白皙の素肌へ直接当たり、瑞々しい張りを乱雑に叩いて擦る。
「ぐ、くっ」
嫌悪と痛みに低く零すが、マフユの抵抗意は無視された。
何本もの触手が暴力的にブレザーを押し上げ、白いシャツを剥がさせていく。夜気が入り込んでくる少女の上半身を、肉管の集まりが執拗に嬲った。
汚れた粘液を焼けるほどに擦り付け、なめらかな若肌へ吸い付きながら、膿んだ凹凸を無遠慮に殴り付けて跳ね回る。
黒い下着に包まれた乳房へも相次いで迫り、控えめな双丘を囲んで掴んだ。触手は胸の膨らみを一巡し捕えると、力任せに揉みしだき始める。
黒紫の不気味な肉管が胸を圧迫し、押し潰し、上下へ揺らさせ、捏ね繰り回し、円運動を繰り返す。相手のことを一切考慮しない、獣性を剥き出しにした貪り方だった。
弄ばれるままに、形の良い膨らみは虐められる。その都度与えられる痛覚だけの刺激に、マフユは唇を噛んで耐え続けた。
一方で別の触手達は少女の足首を締め上げると、左右別方向へ無理矢理に開かせる。艶と張りに満ちた生足へ密着し、螺旋状に絡まりながら、ゆっくりと這い上り始めた。
「こいつら」
生温かく湿った感触、粘つく臭液の不快さ、微細に脈打つ肉管の動きが、マフユの神経を舐め摩る。悪寒を伴う拒絶反応に、少女の口から堪え難い憤怒が漏れた。
だがそんな相手の心情など斟酌せず、触手がズルズルとマフユの脚を伝い登る。
外から襲い掛かる触手の群はプリーツスカートへもまとわり付き、これを引き下ろそうと蠢いた。抵抗できないマフユの下半身は多量の粘液で汚れ、不気味な触手の束がもみくちゃに群がる。
そうして右脚の太腿まで片側が摺り下げられ、局部を隠す黒いショーツが露わになった。少女の顔に烈火の怒気が上塗りされる。なんとか脚を閉ざそうと力が入るも、吸い付く肉管は自らの圧を強め、精一杯の抗いさえも完封した。
同時に別の触手が走り来て、マフユの腰へと捩じり巡る。皮膚の上を撫で触る程度に接しつつ、汚液を浸すようこすり廻していた。
次いでじわじわと這う位置を下げていき、両脚側に犇めく触手も数を増す。そのどれもが血気にギラつき、どす黒い醜念を凶暴に放っていた。
「自らの死を受け入れられない亡者の魂は、生きている者を羨み、妬み、憎んでいます。それと同時に強く焦がれもする。生命の輝きは彼等にとって憎悪の対象にして憧れ欲する至宝そのもの。完膚なきまでに破壊したいが、一方で縋りついて癒し包まれたいとも願っているのですよ。そのような死魂が最も望むのは、はたして何だと思いますか?」
マフユの正面に立ったセイギは、薄笑いと共に少女の顔を覗き込む。
触手による強固な拘束で一切の自由が利かない彼女を見やり、愉快そうに口角を吊りながらの問い。
絶体絶命の窮地でも未だに戦意を翳らせない藍瞳は、気高さ貶めず精霊を睨み返していた。
「もはや動くことは叶わず、従えた精霊の助けも望めず、今にも不浄の群勢に引き裂かれようというのに、まだそんな眼ができるとは。本当に素晴らしいですね。ここまで追い詰めれば、泣いて許しを請う情けない姿が拝めるかと思いましたが、なかなかどうして。期待以上の胆力ですよ。そんなお嬢さんに教えてあげましょう。死者の魂はね、生者への回帰を求めているのですよ。すなわち生命を生み出せる器官、女性の胎を狙っています。その内へと潜り込み、自らを生み直してもらいたいのか。はたまた新たな生命を否定し、命の原点たる其処をズタズタに壊したいのか。どちらにせよ彼等は今、アナタの胎を犯し抜きたくてたまらないのです」
マフユの腹部に人差し指を押し当て、セイギは陰惨な笑みを浮かべた。
少女の下半身では密集している触手から糸を引いて落ちていく粘液の粒が、太腿に引っ掛けられたままのスカートへ垂れ、しとどに汚していく。
自らの欲求と悦楽の獲得に焦れる触手群は、長い管躯を前後へと卑猥に揺らし、汚れた恐怖心をやおら煽った。
「このままでは自分が絶対に助からないと、お嬢さんもよく分かっているでしょう。そこで提案です。強さなど求めない、力の全てを捨てると、ここで誓いワタシに屈するなら、最悪の事態だけは起こらないように取り計らいましょう。アナタの中の一本芯を折り、代わりに心身の純潔を買いなさいな。高望みなどせず、信念を破り、平凡に落ち着くといい。我が身可愛さと安寧のために、その心を自らの選択で殺すのです。さぁ、答えを聞かせて下さい」
「私は目的を曲げない。諦めることもない。ここで戦いに勝ち、その力も従える。私自身がどうなろうとも、必ずやり遂げる」
両瞳へ明確な叛意を描いて、僅かにも輝き弱めず、マフユは決然と言いきった。
相手の心折を期待するゲスい薄笑のセイギだったが、一切迷いなくノータイムで拒絶を返され、一瞬真顔になる。
その後、片目を薄く開けると口の端も引き攣らせ、目深に帽子をかぶり直した。
「はは、ははは、参りましたね、これはどうも。この状況下でも折れてくれませんか……仕方ありません」
セイギは強い落胆の吐息をこぼし、軽く指を打ち鳴らす。
同時に、先ごろ汚液を噴き掛けてきた太い触手がマフユへと襲い掛かった。
うねくる肉管は少女の唇を強引に押し開け、咥内へと無理くり突き入ってくる。その力と勢いは凄まじく、マフユが首を振って逃れようとしても許さない。
嫌悪と怒りの感情が、見開かれた双眸に綯い交ぜとなって浮き跳ねた。




