楓の国の王族集合です!
「貴女が、桜の巫女姫様でいらっしゃる・・・」
全体的にシャープな印象を受ける楓の国の国王陛下、桃也様。・・・うん、見るからに神経質そうな感じ。
ついでに言わせてもらえるならば、眼鏡が似合いそうな委員長タイプっていうか、とても大きなお子さん2人もいるように見えないくらい若々しい。
隣にいる王妃陛下、柊様は小柄で可愛らしい感じの方で、国王陛下を見る目は完全にハート。今でもベタ惚れなんですね、わかります。
「お可愛らしい方ね」
こちらを見てニコニコと笑う顔は穏やかだけれども、その視線は私を見定めようとしているように見えて、ぞくっとする。
「夢未と申します、両陛下」
「しばらくこちらに滞在されるとのこと、歓迎申し上げる」
「ありがとうございます・・・」
国王陛下は硬い表情のまま言う。・・・うーん、歓迎されてるの?されてないの?
不安になって森さんを見上げてみると、にこり、と笑みが返ってくる。んん?
「父上はいつもああなので、お気になさらず」
あ、そーなんだー。とは言えないけれど。そんなにわかりやすかったですか、私。・・・だって、嫌がられてたら、改善するー、とか言えないでしょ?
「それでは、この国を訪問させて頂いた理由を聞いて頂けますか?」
私の問いに、両陛下ともに頷いてくれたので、さっそくプレゼンを始める。
まぁ、プレゼンっていっても、こんなことやりたいでーすというだけなんだけどね?
「――というわけで、食文化の改善をしたいんです。楓の国は食の最先端のようですから、ここから始めようと思ったんです」
コレは事実。だって、食が一番の急務だったし、ね。
脱・桜の国“幸福の王子”症候群・・・のためには、各国が豊かにならなければいけないわけだし。
豊か=食文化の発達っていうイメージがあるからねぇ。
「・・・ふむ。巫女姫様は楓の国を食で発展させようと?」
「はい」
「それは良い考えだと思いますわ、陛下」
「ええ、私も良いと思いますよ、父上」
王妃陛下と森さんの後押しもあってか、国王陛下はあっさりと許可をしてくれた。
「巫女姫のご随意に」
おお、勝手にどうぞってことですね。了解です!
「ありがとうございます、陛下。森さん、手伝っていただけますか?」
「もちろんですよ、夢未様」
ニッコリと笑った森さんに、両陛下が目を丸くした。今のどこに驚く要素があったんだろう?
その時だった。
「兄上!」
首を傾げた私の背後、つまり、謁見の間側の出入口から、突然人影が駆け込んできて・・・。
ドン!!
「ひゃっ!?」
「うわっ!?」
「っ、と・・・」
見事に私の背中に激突してくださり、私は森さんの腕の中に飛びこんでしまう。
っていうか、受け止めてくれてありがとー、森さん・・・。
「す、すみません・・・」
「槙・・・今は大事なくて済んだが、夢未様に怪我でもあったらどうするつもりだったんだ・・・」
「夢未様??・・・あっ、巫女姫様!?・・・す、すみません!僕の不注意で!!」
森さんが静かに怒りながら注意をすると、自分が激突したのが誰なのか知った彼は、ガバッと勢いよく頭をさげた。
うわ、めまいしないんだろうか?
「え、あ、いえ・・・森さんが受けとめてくださいましたし。その、槙さん?は、お怪我はありませんでした?」
「はい、大丈夫です」
「・・・はぁ、まったく・・・夢未様、紹介しますね、槙はこの国の第2王子で私の弟です。歳は16になります。・・・槙、ご挨拶を」
「槙と申します。よろしくお願い致します、巫女姫様」
「あ、はい、よろしくお願いします」
槙さんは王妃陛下に激似だから、家族だってことは一目見ればわかると思う。
でも、走り込んで来るってことはよっぽど緊急の用があったのか、それとも、活発な人なのか・・・。
じーっと見つめていると、サッと視線を逸らされる。
「?」
「ふふ・・・巫女姫様、そのように見つめては槙に穴が空いてしまいますよ?」
「ふぇっ!?」
王妃陛下の突然の言葉に私はビックリして素っ頓狂な声をあげてしまう。ふ、不覚・・・。
「母上!・・・巫女姫様、穴なんて空いたりしませんから!!」
「え、あ、ですよね!・・・ビックリしました・・・」
「・・・巫女姫様は素直な方なんですね・・・」
呆れられたかなーなんて思ってチラリと槙さんを見れば、なんだか温かい眼差しで見つめられていた。
うっ・・・そんな、ほほえましいものを見るような目で見ないでください~~!




