夢未の決意
結果から言うと野菜の種はすべての国で大成功!!おかげで少しは信用してもらえたみたい。まぁ、それがフツーの反応だよね。
桜の国があっさりと私を受け入れたのは、カナン様の声を直接聞くことのできる霧矢さんという存在があるからこそだし。
「うーん、そろそろ動いても大丈夫かなぁ・・・」
「何がですか?」
私の独り言に雫くんが反応する。
「あ、独り言・・・っていうか、雫くんはこの国を離れても平気かな?」
「――夢未様が望まれるのでしたら、どこへなりとでもお供します」
わぁお、なんかスゴイこと言われたような気がする。なんか、ドキッとしたよドキッと。うう、弟みたいに思ってる雫くんにドキドキしてどうするのさ、私。
「あ、ありがとー。・・・っていうか、まぁ、桜の国だけに留まってると、えこひいきしているように見えちゃうからさ・・・他の国にも行ってみようかなって思ってるの。ほら、せっかく移動陣があることだしね」
「そうですね。桜の国がこっそりと夢未様から恩恵を受けている、なんていう噂をたてる者もいるようですし」
あー・・・やっぱりそっかぁ・・・。
でも、なんか変。ここはカナン様がものすっごくテコ入れした世界だから、こういう悪意めいた行動は制限されているハズなのに・・・。
これが滅びの前兆、ってやつなのかな?
「魔が差すっていうもんね・・・あんまり疑心暗鬼になってしまわれても困るし、どこにいても“コトノハ”は行使できるわけだし、うん!それぞれの国に直接足を運ぶのも必要だよね!」
「では、陛下や神官長にお伝えしてまいりますね」
「うん、お願い」
静々と部屋を出て行く雫くんを見送り、私はふっとため息を漏らした。
「・・・カナン様・・・私、うまく出来てますか・・・?」
ここ最近、カナン様とうまく交信が出来ないでいる。何かに妨害されているような感じだ。
それは霧矢さんも同じようで、全く声が聞こえてこなくなってしまったらしい。すわ、能力の低下か、なんて一時大騒ぎになったのだけど、私も同じだと伝えれば、向こうの事情でこうなったのかもしれない、という結論に落ち着いた。
本当に、そうだろうか?
もし、これが滅びの前兆であるのなら・・・私はこれから何をするべきなんだろう?
食事面で豊かになれば心も豊かになってくるだろうと思っていたけど、それだけでは足りないのかな?錬さんの魔力内包症のことも考えなくてはいけないし、思ったよりもこの世界を回復できていないのかもしれない。
カナン様ならなんて答えてくれるんだろう?まだまだ足りないよって言うのかな?もっと具体的な指示とかを出すんだろうか。
とにかく、今は自分の出来ることをやらなくてはいけない。
カナン様は忙しい方だから、いつでも助言をくれるわけじゃない。今回はそれが少し長く期間が空いてしまっているだけだ。そう思わないと不安でたまらない。
「この世界の命運は私にかかってるんだから・・・頑張ろう・・・」
見ててくださいねー!カナン様!




