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桜の国のコトノハ使い  作者: 冬華白輝
本編・基礎作り編
15/26

創作物と従者ができました

メリークリスマス!


クリぼっちの作者は筆というかキーボードを打つ指がスムーズで(笑)・・・久々の更新です^^

「ふ、ふふ・・・できた!」


 朝早くに目が覚めた私は、こちらに来てからずっと考えていた食料事情改善のための“モノ”を“コトノハ”で創りだした。


 とにかくお腹の膨れるもの、栄養のあるもの、と考えに考え抜いてできた、春夏秋冬それぞれの国の気候にあった野菜の種が、私の手の中に握られている。


 地下茎を直接食べるものって、種からだったり種イモからだったりするのだけれど、何だか特別に見えちゃうし、この際だから全部種でイイよね!ということで種にしちゃった。――“コトノハ”様々だよねぇ・・・。


 っていうか、今日も会議はあるよね?氷室設置の許可が下りたかどうか確認しないといけないし。建設費用とか道具とかは関係ない。だってそのまま私が“コトノハ”で造っちゃうもん。


 出し惜しみなんてしている余裕はこの世界にはない。もう、出来ることはガンガンやっていかないと!カナン様が私をここに来させたのも、もうこの世界の中にいる人達でなんとかできるレベルは疾うに過ぎているからだろうしね。


 たぶん、錬さんの魔力内包症もカナン様がこの世界をなんとかしたくて力を与えたのに、発現させることができなかったっていうオチっぽいし。


 そんなことを考えながら満足げに私が種を見つめていると、ドアがノックされる。霧矢さんだ。


「夢未様、おはようございます。お目覚めですか?」


「はい!起きてます!今、開けますね」


 ドアを開けると、霧矢さんの他に1人の少年神官が立っていた。


「ほら、(しずく)・・・ご挨拶を」


「は、はじめまして、巫女姫様!・・・見習い神官の雫と申します!」


 緊張した様子で自己紹介する雫くん。10代前半くらいかな?私はニッコリと笑って手を差し出した。


「はじめまして、夢未です。よろしくね、雫くん」


「っ・・・は、はい!」


 うわぁ・・・顔、真っ赤だよ。なんか可愛いよ、年下萌ぇ・・・はっ!違う境地を開きそうだった!


「えっと、雫くんはおいくつ?」


「12になります」


 わーい、小学6年生・・・萌えちゃいかんね、小学生に・・・。


「雫は最上神官候補生でして」


「最上神官?」


 んん?なんだか耳慣れない言葉が出てきたぞ?


「ああ、ええと・・・神官達の中でも優れた力を持つ者達の称号ですね」


「幹部候補みたいな感じですか?」


「幹部・・・まぁ、そのようなものです」


 ニュアンスは違うみたいだけど、どうやら神官の中でも上のクラスになるらしい。


「12歳で最上神官候補って、実はすごいんじゃないですか?」


「ええ、史上最年少ですね」


 わー・・・優秀なんだな、雫くんって。でも・・・なんだか寂しそう。まだ遊びたい盛りだろうに、勉強漬けだったりするのかな?


「お勉強とか、大変?」


「いえ、もうほとんど必修科目の単位はとってあります。8つの時に親元を離れて主神殿にあがったので」


 ああ、それで寂しそうなんだ・・・でも、桜の国の食料状況なんかを考えると、家にいるより主神殿にあがっちゃった方がまだまともな食生活を送れるんだろうなぁ・・・たぶん、神官って桜の国では特権階級でしょ?


「そっか、雫くんは努力家なんだね」


「――い、いえ。そんな・・・」


 あ、また赤くなった。褒められ慣れてないのかなぁ?できてあたりまえみたいな?


「夢未様、もしよろしければ、雫を側に置いてやってはいただけませんか?」


「ふぇ?」


「夢未様のお考えやお力を直に見れば、雫にも良い刺激になると思いまして」


「あのっ、よろしくお願いします!」


 霧矢さんの期待のこもった眼差しと、懸命に頭を下げる雫くんとを交互に見て、私は苦笑いをうかべた。


「私の考えや力が参考になれば良いんですけど・・・霧矢さんや雫くんが良いのなら、断る理由もありませんから、良いですよ」


「ああ、ありがとうございます」


「ありがとうございます!巫女姫様!」


「どういたしましてー」


 うん、弟ができたみたいで嬉しいなー。あ、じゃ、早速この種のことを2人に訊いてみよう!


「ところでー、野菜の種を作ってみたんですよ。お腹が膨れて、栄養価の高いものなんですけど」


 そう言って掌を2人の目の前で開いてみせる。


「4つ、ありますね」


「はい、それぞれの国で栽培できるものにしました」


「では、雪の国でも作物が採れる、ということですか?」


「そうです。桜の国がソラマメ、海の国がとうもろこし、楓の国がサトイモ、雪の国がダイコンです」


「――どれも、聞いたことのない野菜です・・・」


 あ、やっぱりー?昨夜の食事は豪華だったんだけど、食材の種類が少なかったんだよね。だから、この世界じゃ存在しないんじゃないかなーって思ったら、案の定だ。


「この4つの野菜の作付が成功したら、もっともっと野菜を作ろうと思ってるんです。とりあえず、外に流通させる前に国内で定着するかどうか調べたいので、輸出はしない方向でお願いしますね」


「わかりました。姉にもそう伝えます」


「お願いしますね」


 よし!これで国内流通確実!・・・いくら新しい野菜を作っても自分達の分まで外に放出してたんじゃ意味がないし。お料理を楽しむっていう感覚を知ってもらうためにも、まずは飢餓状態を治さなくちゃ!


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