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プロローグ
オリジナル作品です。
街の中心に大きく聳え立つ教会で、
少女は神に祈った。
〝早くアイオンに認められて、元の世界に戻れますように〝
同じ頃
遥か遠くに離れた木々が生い茂る森の中で、
少年は神を恨んだ。
〝何でこんなことに〝
そんな二人の様子を水鏡を通して、
運命の女神、テュケと幸福の女神、フォルトゥーナが見ていた。
「ねぇフォル、この二人なかなかお似合いだとは思わない?」
「そうねテュケ、私もそう思うわ」
「でしょ?」
フォルトゥーナの言葉にテュケはニッコリと微笑むと、
水鏡に向かって何やら唱え始めた。
「今ここに、二人の運命が混ざり合う」
テュケの手によって二人が出会うまで、
あともう少し。