愛こそ必要悪で正義
「そうか……アイツは……秋田は俺を庇ったんだよ」
「……秋田さんが先生を?」
「ああ。俺を雇ったのはお前の父親だった。借金塗れの俺に金をいっぱいくれるって言うから加担した。お前を騙して父親の元に連れて行くつもりだった。だけどな、予定が狂っちまったんだ。まさか、俺が本当にお前のこと好きになるたあ、思わなんだ……」
「えっ?」
「嘘から出たまことってやつだ。それがお前の父親にばれて、殺されそうになったところを秋田が庇って、それで……。秋田がどこで俺と奴がいる場所を突き止めたかはわからんがな。庇ってくれたんだが、結局俺も病院送りにされちまった」
「秋田さんがしたことは、無駄だったってことですか……?」
「無駄じゃねぇ。それは秋田に失礼だろが。俺を守って……今もお前を守ろうとしている」
「……そんな……私、やっぱり行かないと……!」
「聞き分けがねぇのはいけねぇな。アイツのことを思うなら、アイツの気持ちを尊重しろ。アイツはお前を救ってくれる奴だ。……お前を救えるのは、俺じゃない」
とうとう秋田は帰ってこなかった。
父親も死体となって発見されたという。
意味を理解した真宵はその後、懺悔の旅に出た。
「……私の日記、これは売れそうですね」
アキヤはニヤリと口角を上げて呟く。
そんな性格だから、いつまで経っても正式な聖職者になれないのだ。
いつまで経っても仮の聖職者。
しかしこれはこれで、いい。
「明日はどんな愛の話が聞けるのかしら」
アキヤは頬杖をついて、うっとりとする。
よだれを拭い、アキヤは誰にともなく宣言する。
「やはり〆は……愛こそ必要悪で正義ですね」




