アルセラとのデート クライマックス編
「アルセラ、起きてるんでしょ……??」
アリスさんが退室した後、あたしが狸寝入りをしているアルセラの方へジト目を送る。
「………アリス姉様、やってくれましたねっ!!」
あたしがジト目を送ると、アルセラは全身を布団へ包ませた後、布団の中で悔しがっていた。
バサッ
もちろん、あたしからすれば、アルセラの狸寝入りに関してはどうでもいいため、容赦なく彼女の布団を捲って隣の方へ移動する。
「デ、ディア様…!?」
「………やだ」
そして、あたしが移動すると熟したリンゴのように、頬を真っ赤に染めたアルセラが、声を上ずりにしながら、あたしの名前を呼ぶ。
あたしからすれば、そんなアルセラの態度が不服に感じたため、唇を尖らせた後、彼女と真反対の方向に顔を向けて不機嫌だと示す。
「なんで顔を背けるんですか…」
「………ヘタレ」
「っ!?デ、ディア様にだけは言われたくは!!」
「………やだ!!!」
困ったような声音でアルセラが質問して来たため、あたしがツンとした態度を取りながら煽ると彼女が反論しようとした。
その瞬間、アルセラの口から聞きたくない言葉が出てきたため、あたしは大きな声で拒絶する。
「ディア」
ここまでしてようやく気づいたのか、アルセラはあたしの首へ両腕を回し全身をくっ付けた後、耳元へ近づき、あたしの名前を囁いた。
「ひゃぃ…!?」
ドクンッドクンッドクンッドクンッドクンッ
正直、あたしとしては『様』付が嫌だったので、普通に名前を呼ばれて終わると思っていた。
しかし、想定外だったアルセラの行動に、今度はあたしの方が彼女を強く意識してしまったせいか、変な声が漏れ出してしまう。
それと同時に、自分の胸の鼓動が脈を打つかのように大きくなっていく。
ドンッ
「…………そもそも、私は自分の理性を抑えていただけですから!!そんな私の事情を知らずに……もうっ!!!知らずにっっ!!ディアが悪いんです!!!」
刹那、アルセラが激しい呼吸と共に、訴えかけるかのように言い放った後、あたしの肩を掴んで、勢いよく後ろへ押し倒してきた。
正直、自分の心を落ち着かせるので精一杯だったあたしは、最初は何が起きたのか、分からなかった。それも束の間、アルセラの顔が真上にあったため、彼女から押し倒された現実へ気づく。
「えっと…??アルセラ??落ちつ……んぐっ」
もちろん、目の前のアルセラがいつもの彼女ではないことくらい、あたしでも一目で理解ができた。そのため、一先ずは彼女を落ち着かせようと考えて、対話を試みようとする。
しかし、言いかけた途中でアルセラに唇を塞がれる事となった。
それだけなら、まだいい。
それと同時に、あたしのナカに知らないアルセラのナニカが侵入してきたのだ。
その後、アルセラのナニカが、まるであたしのナカにある全てを吸い取るかのように、荒々しくあたしのナカを掻き回していく。
最初こそ、変な感覚に戸惑いを覚えて、抵抗を試みたものの、それ以上の力でアルセラから抑えられ、あたしは彼女にされるがままとなった。
ーーーーー
時間にするとたったの数分、そのはずなのに、あたしにとって永遠と錯覚する程に長く感じる一時だった。しかし、呼吸の問題もあったのか、途中でアルセラから離れる事となる。
「っは……」
「これがディアの味ですか……」
そして、アルセラから離れた後、自分の呼吸を整えていると、彼女が自分の唇に人差し指を当てながら変な感想を言ってきた。
「ちょ…ちょっと!!言い方…!!………って………え?あれ?流石のアルセラも満足したよね??」
そのため、あたしはアルセラのデリカシーのかけらもない感想に抗議する。
そうすると、いつものアルセラならば、あたしの抗議に対して、上手に反論してくるはずなのに、何も言わずにあたしの方へ近づいてきた。
そんな普段と異なる彼女の様子を見て、怖気付き、慌ててあたしがアルセラに確認する。
「ディア、ここからが本番ですよ?大丈夫です。私も初めてですから」
「ちょ……そういう問題じゃ」
「誘ってきたディアが悪いんですから………」
そういうつもりではなかったとアルセラへ反論しようとすると、彼女が蓋をするかのように荒々しく、あたしの唇を奪う。
それと同時にアルセラがあたしの発展途上中の蕾を優しく服の上から撫でた後、下腹部の方へと手を伸ばしていった。
ーーーー
「ディア、もう後には引けませんから」
「…………優しくしてね?」
長い口付けを交わした後、色々な感情が複雑に入り混じりつつも、アルセラに同意して、初めてを捧げる決意を固めて、彼女にお願いをする。
そんなあたしのお願いにアルセラが縦にこくりと頷いた後、最初は服の上から始まり、次のステップとして、下着を脱ごうとした時だった。
「ディア、アルセラ、ロン様とアース様が迎えに来て…………………」
「ディアお姉ちゃん、アルセラお姉ちゃん、俺様達も迎えに……………」
まるで、運命が悪戯をしたのかと疑いたくなるようなタイミングで、アリスお母様とラース達があたし達を呼ぶために入室してきたのだ。
「「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」」
しかし、あたしとアルセラの現在は下着状態で肌と肌を密着させた状態である。
すぐに、あたし達の状況を察したアリスお母様が即座にラース達の視線を塞ぎ、何も言わずに扉を閉めたものの、その後、正気に戻ったあたし達が悲鳴を上げる事となったのはいうまでもない。
————薄い本で知識だけは知っていたつもりでしたけど、女同士ってこうなるんですわね…
————この変態木葉、なに、ちゃっかり見てんのぉぉぉぉぉぉ!!
————何を言ってるのかしら!!むしろ、邪魔しなかっただけ感謝して欲しいですわ!!
ほんの少し残念な気持ちを抱きながら、服を着替えている最中、『木葉』がちゃっかり覗いていたようで、変な感想を漏らしてきた。
そのため、いつものように『木葉』と争った後、あたし達は逃げるかのように孤児院を去り、ロンとアースが待つ馬車へと移動する。
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「ディア、アルセラ、2人の気持ちは……ゴホンッ、理解できますが、私には挨拶しなさい!!」
そして、あたし達が馬車の近くへ移動するとアリスさんが先に待っていたらしく、怒っていた。
「は、恥ずかしくて……ごめんなさい」
「アリスお姉様!!なんて事をしてくれたのですか!!もう少しでディアを堕とせましたのに…」
あたしがアリスさんへ素直に謝るとアルセラは理解に苦しむクレームを主張している。
「ディア、本当にこの子でいいのでしょうか?…ちなみに、私という選択肢もございますよ?」
そんなアルセラを見て、額に手を当てながらアリスさんが問いかけてくる。それと同時に、彼女が胸元を強調しながら、なぜか誘惑をしてきた。
「ディア、まさかですけど…」
「い、いや、そんなわけないから!!」
想定外だったアリスさんの誘惑にドキッとすると隣のアルセラから何度も目にした黒いオーラが見えたので、彼女をなんとか誤魔化す。
「しくしく、振られてしまいました。残念です」
そうすると、アリスさんが嘘のような泣き真似をした。きっと、彼女なりのあたし達に対する気遣いなのだろうと思い、心の中で感謝をする。
「ディアお嬢様、アルセラ様、そろそろ帰らないとやばいぞ」
「あはは!!ディアお嬢様方、急いでくださいー」
その直後、後ろからロンとアースのあたし達を呼ぶ声が聞こえてきた。
「それではアリスお母様、また来ますので…!!」
「アリスお姉様、お元気で…!!」
「ええ。ディアとアルセラもね」
そのため、アリスさんと別れの挨拶と抱擁を交わした後、あたし達はロンとアースの馬車へと乗り込み、ベルンルックの屋敷へ戻る事となった。
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アルセラデート編、これにて完結です。




