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狂者達の物語  作者: 下南
一章 始まりそして脱走
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6話 友達を切り断つ勇気

脱衣所を出て左側を見るとマナが立っていた。


「遅かったわね。」

「!?」


もちろん驚く。

というか驚かない方がおかしいだろう。私の方が先にお風呂を出たし、出てきたのを見ていない。


「答え合わせは…342日後ね」


お預けらしい。


「私は貴方の部屋を教えるために此処に居るのよ。」

「そうなんですか…」

「と言っても右に進んで5つ目の扉だけどね。いってらっしゃい。」


せめて一緒に行くぐらいはなかった物か。と思いながら廊下を進む。


「1………2………3………4……………………………5」


なんか4つ目と5つ目に大分距離があった。

そんなんことを考えながら扉を開ける。


「お帰り~」

「テレポート?」

「不正解。少しだけ違うかな」


とりあえず靴を脱いで部屋に入る。


「それにしても…物がありませんね…」


部屋を見回すがベッドと机そして椅子しかない。


「あとそこの扉がトイレね」


そう言いマナは入口近くの扉を指差した。


「それじゃ342日間はここで過ごしてね」


そうしてマナは部屋を出て行った。

それにしてもなぜ342日後にこだわるのだろうか...




~142日経過~



「......」


この間に色々な事があった。

その中で一番の大きなことは16体の失敗作の同時処理。

暇だったから剣術の練習をしていたから左程苦戦する事はなかった。

更に、この施設のマップを手に入れた。それはいいのだが、自身が閉じ込められていた場所や出入口が何処にも無かった。

探索もしたが見つかることは無く、ただ鍵のかかったマップに書かれていない部屋があったぐらいだ。

そして、体の黒くなっている部分は服に伝播する事が分かった。その為体と同じ部分の服が黒くなっている。何故かカチューシャは白くなっている。

脱いで数時間放置すれば元に戻るが…

後、満月(マナに聞いた)の日は異常なくらいに戦闘意欲が湧くぐらいだろう。

マナに魔法も教えてもらってたな…


私は今、訓練所にいる。もう処理場でいいんじゃないかな。

理由は奴(マナも名前を知らないらしい)に呼ばれたからだ。


「何の用?」

「いや~最後の訓練の日をいつが良いか聞きたくてね」


どうやら次が最後らしい。

それにしてもいつが良いか…今日は三日月らしいし...


「12日後で…」


満月の日に戦おうと思う。


「分かった。それじゃまた呼ぶよ。」


そう言い奴は部屋を出て行った。私はそれを見てから部屋に戻った。


「それにしても最後か~」


そして違和感を覚える。

私は合計で22体しか処理していない。自分と最後に処理するのを含めて24体...つまりa,i,u,e,o,ka,ki,ku,ke,ko,sa,si,su,se,so,ta,ti,tu,te,to,na,ni,nu,ne番までしか作っていない事になる。中途半端過ぎないか?


そんなこと考えてもどうしようもないので鍛錬をする事にした。



~12日経過~



「此処か…」


奴に指定された第二訓練所の扉の前にいる。


「後は指示を待つだけ。」


そう言い私は刀を磨き始める。

しばらくしてから、


「それじゃ入って来て」


呼ばれたから扉を開けて部屋に入る。


「?」


部屋の中には何もなく天井からシャッターが降りているだけだ。

奴は案の定安全な場所で観戦するらしい。


「何もないけど?」


そういい私は奴を見る。

少し間が開いてから


「シャッターの奥にいるのが君の最後の訓練だ」


その言葉と同時にシャッターが一瞬で開く。

咄嗟過ぎたので直ぐに構えるが…


「「え?」」


相手を見てその言葉が出たのであった。


「えっと…咲希…ちゃん?」

「その声はやっぱり…美奈…?」


理解した。理解してしまった。奴がやらせようとしていることを。


「お前!どういうことだ!!」


奴のほうを向きそう言う。


「どうもこうもないよ。君達目の前にいる物を殺す。それだけだ。」


その言葉を聞いて美奈が声を掛けてきた。


「どうする?戦わないでアイツが飽きるのを待つ?」


そう提案してきたが、


「ちなみに、どちらかが死ぬまで扉は開かないからね。」

「…らしいけど?」

「じゃあ貴方をらせてもらうわ!!」


その言葉と同時に白い刀を抜いて切りかかってきた。


「ちょっ!」


紺碧の剣を抜き受け止めるが、


(重い!!)

「なんで受け止めるかなっ!!」


膝蹴りが飛んでくる。

対応できずに吹き飛ばされる。

壁に叩き付けられ、壁にヒビが入る。


「そう…そっちがその気なら。」


一瞬で距離を詰めて袈裟を放つ。が後ろに避けられる。

そして明らかに首を狙った横なぎが飛んでくる。


(柄のギリギリを持っているのか!)


バックステップで躱しながら距離を取る。

そして納刀し居合いの構えを取る。


巧剣(こうけん)桜花雷纏(おうからいてん)


「っ‼」


次の瞬間には、既にわたしは美奈の後方2メートルにいる。

神速の一閃であるが、どうやら美奈はギリギリで対応し居合い()防いでいた。

桜花雷纏(おうからいてん)』は居合いに加え風+雷属性魔法も使われている。

私が移動した後には無数の雷を纏った桜の花びらが舞う。

そしてそれら全てが美奈に向かって降りかかった。


「な!?」


最初は驚ていたが直ぐに対応を始めた。

けれども、数の暴力には敵わなかったようだ。


被弾


雷属性の感電は恐ろしいものだ。

実際に美奈は感電していて動けない。


もちろんその隙を見逃すはずもなく。

私はは彼女の右手を切り落とした。


「っ!!」


美奈は激痛により刀を落とした。


「勝負ありかな…あっけないね。」


美奈を見るが床にうずくまって動かない。


「さて…決着はついたし扉を開けて貰うよ」

「なにを言っているんだい?hiroki。まだhiromiは生きているじゃないか」


mi番体なのね…


「わざわざ殺す必要はない」

「22人も殺しといて何を言っているんだい?まさか友達だから何ていわないよね?」


図星だ。むしろそれ以外に殺さない理由を作れない。

どうするべきかを悩んでいると美奈が


「いい…のよ…私を…殺…して」


かすれた声で言ってきた。

直ぐに駆け寄り


「でも!」

「でも…じゃ…ない…それに私は…大量出血で…死ぬ…」

「…!」

「だから…死ぬなら貴方の手で…」

「…」


私は無言で立ち上がる。そして刀を振り上げる。


「私の刀…『白夜』は…貴方にあげるわ…」


美奈の首に刀を振り下ろす。その言葉が美奈の最後の言葉だった。

戦闘長くしたぜ!!あんま変わってないけど…


読んでくれてありがとうございます。

良ければ感想、評価をしてくれると嬉しいです。

あと誤字脱字報告もあればお願いします。

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