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狂者達の物語  作者: 下南
一章 始まりそして脱走
14/30

12話 恐怖

「はい、これ」


部屋を出て廊下を歩いているとマナが振り向いて私に何かを渡してきた。


「ん?これって…」


渡された“それ”を見る。

それは、自分が『裏』に入ってからずっと使っている黒塗りの八連式リボルバー銃(魔改造)だ。

ちゃんと手持ちの部分は三日月の模様が入っているから間違いなく自分のだろう。


「それ以上弾が無いから良く考えて使ってね。」

「そう…」


マナは直ぐに歩き始めたが、私は銃を眺めていた。

弾がない…当たり前だろう。装填されている8つの弾丸は全て生物兵器なのだから。

弾一発辺りに含まれているのは、HIV、黒死病、黄熱病、マラリア、結核、エボラ出血熱 ets...

少しでも当たると全て感染する為他に被害を出さないために良く狙う必要があるが、そんなのは必要ない。

そんな弾丸が収められている銃を迷うことなくマナに向けた。


「ふぅ~ん…私に向けるんだ。向けるのは『やつ』だけでいいと思うけどね」


振り向きながらかなりのんびりと言ってくる。けれどその目にはとてつもない威圧感があった。

『蛇に睨まれた蛙』正に自分がその蛙と同じ状態だ。


「ッ!!」


直ぐに引き金を引こうとしたが、指が動かない。否、体が一切動かない。


「何で!?」


カツ カツ


ゆっくりとヒールを鳴らしながら近づいてくる。

動こうにも体が動かない。必死に動かそうとしても無意味だった。


「やっぱ没収~」


私の前まで来て、銃を私の手から取り上げた。

そして銃をどこかに仕舞った。仕舞った?いやどこかに消した。の方がしっくりくる。


「さて…何が起きたかは理解出来る?」

「出来る…訳…ない…」

「まぁ理解されても困るけど。とにかくついてきて」


そう言い歩き出した。

私の体は既に動くようになっていた。それにしても…何故動かなくなったのだろうか…

読んでくれてありがとうございます。

良ければ感想、評価をしてくれると嬉しいです。

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