第4話 初めての5対5!(2)
あらすじ:1年生同士の5対5、雷哉と晴輝が互いに点を取り合ったが…
バシン!
「うぐっ…!」
Aチームの初心者、坂谷 保が放ったシュートは奏によってブロックされた。
弾かれたボールは、Bチームの重野 涼成の手に渡った。
「よし!」
涼成は走りながらドリブルをする。
「おっ、涼成初心者やのにドリブルしっかり出来とるな。」
涼成のドリブルを見て達哉が感心する。
(春休みの間に雷哉と一緒に練習してたんや!)
ドリブルをつきながら走る涼成を止めようと、Aチームの須賀利 大が立ちふさがる。
涼成はそんな大をボールを両手で持ってから左足を軸にしてロール[※1]をしてかわした。
「よし!」
そう言って左足を浮かし、両足を揃えてからスリーポイントラインの少し内からシュートを打とうとする涼成。その時。
ピィーッ!と笛がなった。
涼成を含め、コート内の選手の動きが止まる。
「ゴメン!1回時間止めて!」
そう言って審判をしていた啓次は涼成の元に走り、
「トラベリング![※2]」
そう言って両腕を回す啓次。
すると、啓次は狼士を呼んだ。
「狼士、そこに立ってくれ。」
「う、うん…」
そう言って狼士はスリーポイントラインの少し手前に立った。
啓次は涼成からボールをもらうと、ドリブルをつきだした。
啓次は狼士に向かってドリブルをつきながら走り、ロールでかわした。
「おお!」
少し歓声があがる。
(…素人の俺でもわかる。めちゃくちゃ鮮やか…!)
涼成が感嘆していると、啓次は涼成に近付き、話し出した。
「ボールを両手で持った後に両足とも動いたらトラベリングや。気ぃ付けや?」
「は、はい…」
「でも、そこでロールをしたのは良かったし、ドリブルも初心者にしては良くできてたで。」
「あ、ありがとうございます…!」
そう言って頭を下げる涼成を見て、啓次はニカッと笑った。そして、コート内の1年生に向かって声をあげた。
「よーし!試合再開!」
そう言って笛を鳴らす啓次。
啓次はサイドラインの外にいる保にボールを渡した。
Bチームの涼成がトラベリングをしたので、Aチームのスローインからゲームが再開される。
保は雷哉に向かってボールを投げた。
ボールを受け取った雷哉は、ドリブルをつきながら軽く走り出した。晴輝はそれに着いてくるようにディフェンスをしている。
「ヘイ!パス!」
そう言って雷哉から見て右側のハイポストに立つ狼士。
雷哉は狼士を一瞬見た後、ディフェンスしている晴輝の右に向かってドリブルをついた。
(ドライブかよっ!)
そう思いながら晴輝は着いていこうとするが…
ドライブに反応した晴輝を嘲笑うかのように、雷哉は1歩後ろに下がった。
「フェイクかよこのやろっ…!」
気付いた晴輝は慌てて手を伸ばすが、その隙に雷哉は狼士にパスを出した。
狼士はゴールに背を向けながらボールを受け取る。狼士の後ろには奏が腰を落としてディフェンスをしている。
狼士は右後ろをチラリと見る。
奏は一瞬反応するが、動じない。
(フェイク!左!)
奏の思惑通り、狼士は左に回り、ドリブルでペイントエリアに侵入した。
(よし!止める!)
奏が1歩前に出る。その瞬間。
狼士は逆方向に回った。
「えっ?」
狼士はさらにドリブルを1回ついて後ろに下がる。その結果奏とのスペースが空く。
「ぐっ!」
奏は慌てて前に跳ぶ。しかし…
「届かない…!」
狼士は後ろに跳びながらシュートを放つ。
「フェイダウェイ[※3]…!」
そう言った奏は後ろを振り向き、狼士の放ったシュートがリングに吸い込まれるのを眺めるしかできなかった。
「よし!」
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両チームが一進一退の攻防を続けるなか、前半が終了した。
Aチーム 6-6 Bチーム
啓次はコート外で座っている2人…玲と陸に声を掛けた。
「よーし!出てない2人!交代や!」
「よっしゃーっ!遂に俺の出番や!」
そう言って跳び上がる玲。
「じゃ、俺らは経験者でジャンケンすっか。」
雷哉がそう言って手をあげると、奏が話し出した。
「お、俺変わるよ…!」
「奏!?ええの?」
奏の言葉に驚く玲。
「う、うん…久し振りに動いたから体力が衰えてもうてん。」
玲はそう言った奏の顔を少し眺め、
「…分かった。」
と、告げた。
ピィーッ!
メンバーチェンジ
Aチーム
須賀利 大→川野 陸
Bチーム
横村 奏→稀咲 玲
「よっしゃーっ!行くで!」
そう言って楽しそうにコートに入る玲。
得点板の近くに立っている達哉は、得点板係の2人に声を掛けた。
「秋人、充成、良く見とけよ。」
達哉は左手の親指で玲を指差す。
「玲が居たことこそが、去年の高羅台ミニが県内有数のチームやと言われた所以や。」
そう言って達哉はニヤリと笑った。
次へ続く!
【おまけ】
Aチーム(青ゼッケン)
東条 狼士 センター 4得点1ブロック
八草 雷哉 ガード 2得点1アシスト
坂谷 保
川野 陸
田中 廉
(須賀利 大)
Bチーム(ゼッケン無し)
近藤 晴輝 ガード 4得点
稀咲 玲 フォワード
重野 涼成
箕輪 大知
山ノ上 彰久
(横村 奏) センター 2得点
次回、遂に主人公がバスケをします!
※1、相手を軸にして1回転して抜く技。ドリブルをしながらする事が多い。
※2、反則。ボールを持ったまま3歩以上歩くこと。
※3、後ろに跳びながら打つシュート。ディフェンスとの距離が出来るのでブロックされにくい。




