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132話……クリードの結婚前夜

 魔王を倒して帰還してから数週間、結婚式の日取りが決まった。


 よめーずはドレス選びや招待客の選定で大忙し、俺は衣装も決まっているし段取りも覚えたので特にやることは無い。


 手伝いたいところだが俺が手伝っても役に立たないどころか邪魔にしかならないのでやんわりと断られている。


「しかしサーシャを嫁に出す日が来ようとは……時の流れというのは早いものだ」

「はぁ……そうですね」


 そんな日々を過ごして結婚式前日、俺は今お義父さんとなる人であるアンドレイさんと2人で飲んでいた。

 酒はあまり得意では無いのだが断れない席というのも存在する。


「確かにサーシャに手を出せと言ったものの、まさか本当に結婚させることになるなんて……」

「お義父さん酔ってます?」


 それ4回目です。


「キミにお義父さんと呼ばれる筋合いは無い!」

「え? 今それ言います?」

「済まない、言ってみたかっただけなんだ」


 ハハハと笑いながらグラスを傾けるアンドレイさん。

 見た目は冷酷な貴族然としているナイスミドルなのに茶目っ気たっぷりで困ったものである。


「小さい頃はなぁ、お父様お父様とちょこちょこ私の後ろを着いてきていてとても可愛かったんだ……今でも可愛いがね」


 飲み始めてからずっとこうだ。

 永遠にループするのでは無かろうか……


「聖女の職業を与えられた時にはどうなるものかと思ったが……結果だけを見れば最高だ」

「攫われてしまったことは……その、すみませんでした」

「キミが気にすることでは無いよ。アレは防ぎようのなかったことだと思っている」


 国王を脅して俺たちを教国に縛り付け俺たちが油断しやすいように勇者たちを使ってサーシャを誘拐、敵ながら手の込んだことをしたものだ。


 そのせいでケイトを失ったことに関しては復讐を果たした今でも許せない。

 蘇生方法があるのならもう一度くらい蘇生させてからいたぶってやるのに……

 そんな方法があるなら当然ケイトを蘇生させるけどね……


「ケイトくんのことは私も残念に思うよ。キミはケイトくんを好いていただろう?」

「それは……」


 嫁になる人の父親に対してはいそうですとは答えられない。


「意地悪な質問だったな、済まない」

「いえ……」


 アンドレイさんにも思うところはあるのだろう。


「レオくん、娘をよろしく頼む」

「任せてください。必ず幸せにします」


 グラスをこちらに向けてきたので自分のグラスを軽くぶつける。

 この人とはまぁ……いい付き合いが出来そうな気がする。


 学生時代は独身最後の夜は友達とはっちゃけるものだと思っていたがこんな時間も悪くは無い。


 その日は遅くまでアンドレイさんの……お義父さんの晩酌に付き合った。

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