第67話:ああああああ!!う○こう○こう○こう○こ
タッタッタッ……
タッタッタッタッ……
数匹の悪魔が人形を追いかけ草むらの中を駆けていく。
見るに、私からしたら雑魚に該当する下等生物だ。
ビンタして股間に蹴りでも入れればすぐに死ぬ。
数秒後には、グシャリという気持ちの良い音が聞けるだろうとも思ったが。
べちょ……!!
「……べちょ?」
グロテスクSEを想像したのに、なぜか、とても緩いSEが代わりに聞こえてきた。
何だろうか、気になり数十メートル離れた人形を狙う悪魔の姿を見てみると。
「………………!!!」
「…………………………!」
「……!!!!!!!!」
悪魔は何故か、う〇こを両手に持ち、それを人形へと投げつけていた。
「止めてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!! 実寸大リヌリラちゃん人形をう〇こまみれにするなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
思わずイデンシゲートの外に出て、う〇こを投げつけた悪魔に向かって顔面破壊グーパンチを決めていた。
顔がぷっくりと腫れて、歯が数本折れる強烈なやつ。
「……………………!!!!」
「………………!!!!」
「やっば。他の悪魔が襲いかかってくる。逃げなきゃ!!」
二の腕の鋭い悪魔の刃をかいくぐり、イデンシゲートの内側へと避難する。
いつもの悪魔なら、まず警戒のために、間合いを取ってくるるのが大体だけど、今回はいきなり襲いかかってきた。
気が立っている証拠だろうか。
「全く、人形が偵察しなきゃいけないのに、なんで私が最前線で戦いながら情報を得るはめになるのよ」
我ながら、気の短さは直すべきだと改めて痛感する。
「で、でも、う〇こなら物理的なダメージは少ないはず。平気、平気。よかった、人形が無事で……」
頭に蜷局を巻いたう〇こを乗せたままなのは少々頂けないが、どうせ私自身は痛くも臭くもない。
粘土モンタージュは、敵にバラバラに壊されて停止させ、そのまま使い捨てるのがメジャーな使い道だとルーミルに聞いた。
いちいち偽物の代わりに怒り狂ってしまうのは、血圧的に宜しくない。
「よし、深呼吸、深呼吸……今は偵察モードなのだから、ステルスを強く意識して……」
べちょ!!!
ぬちょ!!!!!!
ぐちょ!!!!!!!!!!!
「あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ" だから実寸大リヌリラちゃん人形にう〇こを投げるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!! 〇ね〇ね〇ね〇ね〇ね〇ね〇ね〇ね〇ね〇ね〇ね〇ね!!!!!!」
ドギャッッッ!!!!
グギェッッッッ……!!!!!
ズグォッッッッ!!!!!!!!
……
……
血が頭に上ったときには、既にイデンシゲートの外へと再び出ていて、う〇こを投げた悪魔たちを捕まえて、殴る蹴るの暴行を猛烈に繰り返していた。
暴走した脳の熱が冷める頃には、辺りは猟奇的な殺人現場と化しており、死体の山がごろごろと散乱しているのが私の視界に入った。
もちろん、悪魔のものだ。
右手には悪魔の血のような体液がこびりついていて、既に息絶えている悪魔が私の左手に首を捕まれていた。
顔面の頭蓋骨がグチャグチャに陥没した状態で。
「ま、まあ……自身を守ることって、とても大事だからね。はは」
掴み上げていた悪魔の死体を川に投げ捨てながら冷静さを取り戻す。
人形とはいえ、さすがにう〇この連射は未熟な私には耐え難い屈辱だったから、つい、ね。
「とりあえず、これで実寸大リヌリラちゃん人形の尊厳は守られたはず。せめて、身体中に付着したう〇こを水で洗い流すくらいはしないと」
森の中をう〇こまみれのままノーリアクションで歩き続ける女性なんて、目も当てられない。
せめて、見た目だけでもクリーンな状態へと戻してあけ……
つるっ……
グシャッ……!
「…………」
――悲報
実寸大リヌリラちゃん人形が、大量に付着したう〇こに滑り転倒。
その衝撃で頭を岩にぶつけ破損。
無事、土へと還っていった模様です。
……
……
何だろうか。
大人なのに、異様なレベルでう〇こを連呼した気がする。
謎の尊厳のロストを感じつつも、なんやかんやで成果はほぼ得られていない。
感情の引き出しを選ぶに困る状況に私は今、陥っている。
「……私、何も間違ってないよね?」
人生に明確なる正解など存在はしない。
だからこそ、人はあらゆる趣向をもって生き様を魅せる。
だけど、この痰が絡んで常にイガイガしてしまうような落ち着かない状況は何なのだろうか……
議論を展開して追究していきたいところだが、今は悪魔を調べることが優先されるべきだと私は思う。
引き続き、残った粘土モンタージュを使い、調査を続けることにしよう。
……
……




