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《シュゥゥゥゥ……》

痛みを背負いながらダンジョンに向けて森を一直線に進んでいた。


「はぁ……はぁ……」

背中と喉が焼け付くようだ……


しばらく歩いたところで泉を発見する。

「はぁ……はぁ……休憩だ……」

「……」

フランシスは下ろすと直ぐに座り込んだ。


《バシャバシャ!ゴクゴクッ!》

火照った身体を冷やし、喉を潤す……フランシスは俺の様子を静かに見ていた。


「フランシス……君も飲むかい?」

フランシスは首を振り、野原に咲いた花を眺めていた。

「そうか……」


俺は泉に軽く潜り、背中を冷やした。

《ジュウウウウウ……》


フランシスの辺りが黒く腐り……草木が枯れていく……

枯れ行く花を見て、フランシスは酷く悲しそうな顔をする。


なんて悲しそうな顔をするんだ……


「行こう」

「……まだ痛むのでしょう?」

「全然?」


《ジュウウウウウ……》


俺は無言でフランシスを再びオブリ、森を歩いていく。


「ゲヒッ!ゲヒヒヒヒ!」

しばらくすると、不細工な三体のオークどもが眼前に現れた現れた。


「捕まっていられるか?直ぐに終わる」

「……えぇ……」


《ジュウウウウウ……》

俺は斧を構え、捕まったフランシスの手が俺の喉を焼いて行く……


「ギャオアアアア!」

オークどもは汚らしく唾を撒き散らして襲いかかってくる。


「フンッ!」

「ゲッ!」

俺は二度三度と斧を振りオークを両断していく。

《ザクッ!》


オークを叩き割る動きで服が擦れ……激痛が走る。


服からチラッと見えた腕は紫色に変色していた。

《ガランッ》


俺は握力を失い、斧を落としてしまった。

フランシスがそれを眺めているのが伝わってくる。

「……」

「この刃はもう使えない……捨てて行く」


《ジュウウウウウ……》

俺は再びフランシスを右手で支え、歩いた。


俺が倒れればフランシスは悲しい顔をするだろう……

俺は悲鳴をあげる全身を無視して歩き続ける。


「ゲッゲッ!ゲヒヒヒヒ!」

オーク共が背後を付いてくる……先程の奴らの仲間の様だ……


何時までも襲って来ない……弱るのを待っているのか……


ダンジョンまではそんなに遠くはないはずだ……あと少しでダンジョンの範囲に入るはずだ。


「オーク達が……」

「任せろ…だぃじょ……ケホッ」

「ごめんなさい……」

不覚だ……


《ザザザザザッ!》

「ゲッゲッゲッ!」


ダンジョンに走り、オーク共が俺を追ってくる。


《ゴキッ!》

俺の脚が折れ、スッ転んだ拍子にフランシスは投げ飛ばされた形で野原に転がった。


傷付けてしまった!くそっ!

「フランシス!怪我はないか!くそっ!俺は何やってるんだ!」

「ゲヒヒヒヒ!」

「……やめて!」

フランシスは俺に近寄るオークに向かって叫んだ。


「ゲヒヒヒヒ……」

オークは俺の腰を掴んで口をアングリと開けた。

「うぉぉぉぉ!」

《ガブッ!》

「ギャオアアアア!」

痛がるオークを他のオークは指差し、腹を抱えて笑っている。

「ゲヒッゲヒッ!」

俺はオークの鼻に噛みつき、オークは無理矢理に俺を離そうとする。


《ゴスッ!》

右手の手刀でオークの頭蓋を破り、脳味噌をかき回した。


「グゥゥゥ!」

オークの断末魔を聞きながら、他のオークは唖然としていたが……オークが倒れると次第に怒り出す。


「ギャオアァオアアア!」

《ゴスッ!ガンッ!ドンッ!》

「グッ!」

オークは棍棒で俺を滅多打ちにする……こんな攻撃は毒ほど効かないが……右手も壊れてしまった……


「ギャオガアアアアアアア!」

オークは興奮して雄叫びを上げた。


《ドッ!ドス!》

「キュゥゥゥゥン!」

オークに斧が刺さり、オークは弱々しく鳴いた。


「オヤビン……大丈夫?」

既にダンジョンに入っていた様だ……オークはゴブリンを見ると逃げようとした。


「逃る……無理……今夜は……ステーキだ!」

「クゥゥゥゥン……」

オークはゴブリン達に簡単に回り込まれ、解体された。


「……来ないでくださいまし!」

「落ち着く……ゴブリン……怖くない……お前も……仲間……」

フランシスの周りが黒くなっていく……

ゴブリン達はそれに近づいて行く


俺は弱々しく口笛を吹いた。

「ピィィィ」

我ながら情け無い音を聞いてゴブリン達は動きを止めた。


「え?……オヤビン……退却?……」

「うっ!」

一体のゴブリンが黒い円に入って頭を抱えて膝をつく。


「どうした?……大丈夫か?」

《ズバッ!ズバッ!》

「ギャァ!……」

若いゴブリンが近寄り、切り刻まれた。


「ググググ!……オヤビン!殺す!……オレ!ダンジョンで1番偉い!」

「何言ってる……どうした?」


他のゴブリンは豹変した奴を見て動揺している。


「お前!オカシイ!少し休む!」

「ジネ!ジネ!オラァ!」

《ブンッブンッ!》

ゴブリンリーダーは宥めようと近寄るが、ゴブリンはリーダーに向かって武器を振り回す。


「オマエ!やめる!」

「はなぜ!オレが!リーダーなる!」

「オマエ!どうかしてる!」

リーダーは部下を力づくで押さえつけた。


『ゴブリン達、バッドボーイをもう少しだけダンジョン寄りに……』


俺はゴブリンに引きづられ、ダンジョンによって癒された。

「グルル……」

立ち上がる俺を狂ったゴブリンが睨んでいた。


「お前達、ご苦労!先にダンジョンに戻っていてくれるか?」

「了解……でも、こいつどうする?」


「檻に入れておきなさい!」

「了解……行くぞ!オマエラ!」

「スオ……」

「お帰りなさい……バッドボーイ……」

ゴブリン達はダンジョンに帰り、スオは俺とフランシスをやや睨みつけていた。

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