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速攻で殺す!
俺は螺旋階段を登り終え、扉の前に立った。
「はぁ……はぁ……うっ!」
《ビシャビシャ!》
「くっ……」
くそ……身体に毒がどんどん回っているのが実感できる。
《ガチャガチャ……》
鍵か……
「ウォラ!」
俺は力を振り絞り、ドアを斧で叩き割った。
「何方でしょう?」
ケロイド状に左半分が溶けた顔……
右半分は綺麗な顔立ちをしている……
俺はフランシスの冷たい瞳で見つめられ……心臓を抉られるような衝撃を受けた。
息が……苦しい……胸が熱い!……鼓動が……
「うぉぉぉぉ!」
俺は衝撃を振り切るように気合いを入れて斧を振り上げる。
「そう……貴方がこの地獄を終わらせてくださるのね……早く終わらせてくださいまし……」
フランシスはにこやかに微笑んだ。
「ウォォォォオォ!」
俺は邪念を振り切り、斧を振り下ろす。
やっぱり駄目だ……
俺は斧を寸止めし、ゆっくり床に降ろして膝をついた。
「どうしたのです?……遠慮は要りません」
「駄目だ……俺には出来ない……」
「何故?……それなら貴方は此処に何をしに来たのでしょう?」
「一目惚れだ!お前に恋をしたからだ!」
「え……」
フランシスの瞳に一瞬暖かい光が宿ったが、すぐに冷たいものに戻ってしまった。
「俺と一緒になってくれ!一緒に出よう!」
「……」
フランシスは冷たい瞳で俺を見て沈黙していた。
身体中の毒による痛み……それだけじゃない!その瞳すら今の俺には愛おしい!
一体俺はどうしちまったんだ?……でも心地良い感じだ。
《ビュゥゥゥゥ!ゴウッ!》
「危ない!」
咄嗟にフランシスに抱きつき、俺の体で彼女を覆い、暴風から身を守った。
《ドシュゥゥゥゥ!》
彼女に接した面に激痛が走る。
暴風が止み、窓にライオネルが降り立ってこちらにランスを向ける。
「左眼が疼く……お前には死んでもらうぞ!ブラッディ……」
「やめろ!フランシスが!」
「関係ない!貴様は死ね!」
《ゴォォォォ!》
容赦なくライオネルは風を纏い、ランスの先に集める。
「サイクロン!」
「ウォォォォ!」
俺は暴風に切り掛かり、斧で受け止めながら耐えた。
《ガゴゴガゴガガゴッ!》
部屋中の物が飛んでくる……俺が此処で倒れたら彼女が晒されてしまう!
踏ん張りきれない!
俺は斧を地面に突き刺し、耐えた。
「グォォォォォ!」
風は俺をズタズタに切り裂き、俺の左手はへし折れた。
「フンッ」
《ガンッ》
ライオネルがランスを繰り出し、俺は斧で打ち合った。
「やめろ!ライオネル!」
「くどい!……グハッ!」
ライオネルが吐血した!チャンスだ!
斧で……
俺はライオネルの腹を蹴飛ばした。
「グゥッ!」
ライオネルがタンスに勢い良く突っ込むと瞬時に翻し、突進してくる。
「貴様……何故躊躇した!甘いな!死ね!」
《ドスッ!》
俺の腹にランスが深々と刺さっている。
「ハハハッ!どうだ!痛いか!」
「うぉぉぉぉ!」
「やめてくださいまし!」
フランシスの体から紫の液体がどっと流れて俺とライオネルは巻き込まれた。
体が熱い!殺す!
俺はランスを握り、斧を振り上げた。
「……姫様……私は……一体……」
《グシャッ!》
「グアアアアア!」
俺の斧が右眼に炸裂し、ライオネルは右眼を抑えて悲鳴をあげた。
「終わりだ!」
俺は斧を横振りした。
「ガ……ガァ!私は……いや、お前を殺す……首を洗って待っていろ!」
《ゴォォォォ!》
俺は暴風に押されて壁に叩きつけられ、ライオネルは窓を見つけて飛んでいく。
「グ……グゥ……」
「……」
フランシスは俺を冷たく見守っていた。
「綺麗だな……」
フランシスは左半分を髪と手で隠した。
「戯言はお止めになってくださいまし……」
「俺と一緒に行こう……」
「いや!離してください!」
「いや、連れて行く!」
軽く抵抗する彼女を無理矢理オンブして辿々しくダンジョンに歩いていく。
「……降ろしてよ……」
背中が熱い!……これは恋の痛みだ!




