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101/205

101.わーいお花畑だぁ!(通りすがりの翼竜視点)

 僕の名前は青嵐竜。風を操る翼竜さ。通り名はブルーストーム。って、僕しか使ってない呼び名だけどね。みんな名前には無頓着だし。


 ぴっちぴちの2431歳。憧れの桜花竜先輩と戦いたくて、ランキング上げをギリギリまで頑張った。今回なんとか92位で滑り込み。


 400年に一度の百竜大戦(ドラゴロイヤル)に初参戦! めっちゃテンション上がるなぁ! って、思ってたんだけど――


 開始直前の編隊飛行の中に、先輩いなかったんだよね。しょんぼり。


 お祭り大会だから出場辞退しちゃったのかなぁ。


 けどけど、ピンクのドラゴンが一番最後に飛び込んできたんだ!


 可愛いお嬢さんって感じ。フフフ……この戦いに生き残れるかな?


・

・

・


 第一収縮終わりまで、僕はクールにかっこよく三匹のドラゴンを撃破した。


 スピードで敵を翻弄。

 隙あらば旋空烈風破。翼から青い竜巻を打ち出し相手を空へと跳ね飛ばす必殺技だ。


 打ち上げられた相手は青藍の風の檻に閉じ込められて、身じろぎ一つできずに空を舞う。

 最後は竜巻ごと急旋回。地面に叩きつけられてジ・エンド。


 どこに水晶片を隠していても、衝撃でパリン! って、寸法なんだよね。


 わざわざ相手の弱点を探る必要無いし、僕って天才。やったー! すごーい!


 で――


 次のバトルフィールドを求めて、僕はピンクの花が咲き乱れる美しい自然の花園の真ん中に赴(おもむ)いた。


 フローラルな甘い蜜の香りがする。灰色の廃墟群は埃っぽい。心まで渇ききってしまいそうだ。


 花ごとに色んな香りが楽しめる。戦いの真っ最中でも……いや、むしろだからこそ、癒やしは必要だよね。


 花園の真ん中に小さな山があった。


 とっても綺麗なお花さんたちが、まるで花束みたいに咲き乱れている。


 わぁ! とっても綺麗!


 どんな香りがするんだろう。近づいていって鼻先を近づけると――


『かかったにゃ! アホめえええええ!』


 突然、花の小山が立ち上がって僕の綺麗な顔をぶん殴った。


 ちょ! なに! 花の精霊!?


 みれば小山じゃなくて、身をかがめていたピンクの……ドラゴンちゃん?


『ちょ、ちょっと待って! なんで全身にお花生えてんの!?』

『チッ……仕留めそこなったか……』


 桃竜ちゃんは僕をにらみつける。どうやったのか、全身の鱗を隠すほどのお花がピンクちゃんの全身を覆っていた。


 その足下に黒い小さな何かがにょっきり生える。


「ドラミちゃん。もっとぶん殴って」

『うん! まかしてお兄ちゃん!』


 僕があっけにとられていると、ピンドラちゃんは向かってきた。


 それにしても……お花で飾られてて……可愛いな。


 つい見とれちゃった。そしたら二発、三発と顔面を前足で殴打された。


 なんでだろう。胸が熱くなる。キュンってしてくる。


 可愛い女の子にボコボコに殴られてるのに……どうして!? 僕!? どうなっちゃったの!?


「よくわからんが無抵抗だ。転ばせて上から組み敷いていけ」

『やっちゃうよおおお!』


 ピンドラちゃんは僕の胸に抱きついてそのまま押し倒し、馬乗りになった。


 こ、興奮する! すごく興奮するよ! 女の子に上から乗られて僕、変態さんになっちゃったかも!


『も、もっと上』

『なんか言った?』

『もっとこう、顔の上にお尻をのっける感じで……お願いできるかい?』

『お兄ちゃんどうしよう!?』


 黒くて小さいのが僕の脇にやってきた。人間さん……かな? 腕組みすると――


「いい目をしているな。こいつ……ドラミちゃんご褒美に……じゃない、トドメを刺してあげなさい」

『うん! そりゃああああああ! ていッ!』


 ピンドラちゃんは一度ジャンプすると、僕の顔の上にぷりっぷりのおけつをハンマーフォールしてくれた。


 ああ、し あ わ せ――


 衝撃とともに僕の頭はお花畑に埋まり、意識が遠のく。ほっぺたに感じるピンドラちゃんのお尻の感触だけは、どうか……記憶に……残ります……よう……に……。


・

・

・


『お兄ちゃんこいつ何がしたかったの?』

「男には色々あるんだ」

『はぁ? 全然わかんなーい!』


 意識を失った青い翼竜。左の翼の付け根に隠された水晶の板が、ドラミちゃんのヒップアタックの衝撃でパリンと爆ぜた。


 お尻で翼竜の顔面をぐりぐり大地にこすりつけて、ピンドラは立ち上がる。


『けどけど、即席だったけど迷彩ドッキリ大作戦は上手くいったねお兄ちゃん!』

「うむ。休めたのも大きいな」


 花畑のような平野に出たところで、私は妹ちゃんに花の種を蒔いて発芽成長を促した。


 腹ばいになったピンドラが花畑に屈むと、ほとんど風景の一部である。


 匂いも花の香りに紛れて探知されにくいというおまけ付きだ。


 第二収縮が始まるまで体力を温存の予定だったんだけど――


 昇天(?)した青い翼竜に合掌。

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― 新着の感想 ―
[一言] >女の子に上から乗られて僕、変態さんになっちゃったかも! 自己分析が甘いな。「かも」ではない。きみは紛れもなく、変態になったのだ!
[良い点] 更新お疲れ様です。 ぶ、ブルストダイーン!?でもまぁ気持ちは解るよ…今は眠れ。 しかしブルスト氏がチョロそうなのを差し引いても、実はドラミちゃん=ドラゴン形態だと美人ならぬ美竜さんの可能…
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