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魔族って、、

眉間に集中する練習をしていると良い匂いがして来た。ミルクの香りがする、腹が減ってくたばりかけたが、減りすぎて空腹感が無かった。

この匂いで急に胃が活動し始めて腹の虫が鳴き出した。


ギュルギュル

にゃー


不覚にも

か細く鳴いてしまった。


クワンリが何か作ってくれている。

ありがたい。転生してからこっちろくなものを食べていないのだ。


・・出来たぞ!ゆっくり少しずつ食べろ。飲み込むまで20回は噛むんだ。

できるな?


出て来たのはパン粥だった。俺の胃袋を気にしてくれ、パン粥にしてくれたのだろう。

優しい魔族なんだな。


思念が漏れていた。

クワンリは顔を赤らめて、目の前に陶器の鉢を置いてくれた。


にゃっ!


嬉しくてまた声が漏れてしまった。


美味い、マジで美味い。

泣きそうだ、ゆっくり数を数えながら咀嚼する。17、18、19、あと一回で飲み込める。


・・・気に入ったか?熱くはないか?

気に入ってくれて何よりだ、毎食これになるからな。

一日一食になるが遠慮せず食べろ。


待て待て肉も魚も食いたいぞ。毎食パン粥って魔族の食事は質素すぎるんじゃないのか?

って一日一食?


・・・すまない、三日前に来て早々に路銀を無くしてしまい、贅沢は出来んのだ。

ここのテントの宿も二人分の食事をすると後一週間も居られない。

なんとか路銀を稼がないと共倒れだ。


えええええ〜〜

なんてこった、、、、


しょうがない、

最初のクエストだ

まずは金を稼がないとならないな。



クワンリの話によると魔界から人間界に隠密視察に来たのが三日前、魔性石なるレアアース的な物を換金するために換金所を迷いながら探し、ドキドキしながらやっとの思いで少し換金したらしい。

換金所を出て広場のたぶん噴水だろう(クワンリの説明で推測した)

そこで今後を思案していると、隣に座っている親子に飲み物をローブに溢されて拭かせて欲しいからと脱がされたのだと言う。

親子は謝りながら去っていったと言う。

染みにならなければ良いとまた脱いで噴水の水で布巾を濡らし拭いて着ようとして、ふと腰の鞄が無いのに気がついたのだと言う。


ああああ典型的なアレだ、、

日本人観光客が外国行ってやられるアレだ。

なんてチョロいのに引っかかるんだ。


クワンリに説明してやったが、子供連れの母親がそんな事するわけがないと信じない。

自分の不注意で落としたのだと言い張る。

絶対アレだと思うのだが、あまりしつこく言っても仕方ないので、そう言うことにしてやって、先の事に頭を使おうと思った。が、

ふとテント内を見回すと萎れた花束が5つほど吊るされている、聞くと酷く痩せた花売りの子供が売っていたので、残りを全部買ったのだと言う。

、、、、、言葉もない


あれだ、この魔族はダメなヤツだ。

いいヤツだが、放って置いたら直ぐに野垂れ死ぬ口だ。


人間界は、優しく良い奴が生きて行くにはとても厳しい世界なのだ。


教育が必要かもしれないな。

いつもお世話になります。

色々リアクション頂けますと励みになります。

ダメ出しだったとしても励みになります(笑)

てか、読んでください。

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― 新着の感想 ―
[良い点] こころやさしいですね、魔族。それともクワァンリが、なのでしょうか。 うそをつかない種族、というだけでも、非常に好感を持ちました。 主人公が無事、ほんとうの姿に戻れることを願いつつ、今後とも…
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