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初クエスト?

・・・なあノルよ、不思議に思っていたのだが、魔族が何故、人族領に獣落ちして尚且つ記憶が無くなってだぞ、、、

私達より先に来ているのだ?

元々こちらにいたのか?

それとも他の方法で来たのか?

記憶を無くしているのだから聞いても分からんと思うのだが、不思議では無いか?

答えんでも良い、聞いてみても答えは返ってこん事はわかっている。


クワンリは俺が記憶喪失を気に病んでいるのだと思っているらしい。

遠慮がちに聞いて来た。

と言うか、独り言の様に自分の疑問を伝えて来た。

クワンリ自身わかっている様で、自己完結しているので俺も答えずサイレントニャーで返しておいた。


今日もパン粥だ。

悲しいかな猫の身にはとても美味い。

毎日でも大丈夫だが、悟られないようにしておこう。

物足りなさそうに食べて見せているのだが、声が漏れてしまう。

正直な身体だ。


・・・なあノルよ、ノルよ、、


何か言いにくそうにクワンリは俺を呼ぶ。

食後の毛繕いを終えて寝たふりをしていると首の後ろを撫でて来た。

気持ち良いので片目を開けてサイレントニャーをして顔を上げる。


・・・なんですか?

耳の後ろもお願いしますよ。


耳の後ろや顎を撫でながらクワンリは申し訳無さそうに言ってきた。


・・・あの花売りの子供をなんとかしてやりたいのだが、、、


・・・後生大事に萎れた花束飾ってあるからそんな事言い出すかと思っていたけどさ、

買う金ないでしょ。子供なんとかするのもいいけど、俺たち飢えちゃったら困るじゃないか。


・・・いや、この花束は薬草が入っていてな、、、

乾燥させて持っていればこの旅の途中で使えるだろ。

どうでもいい事だが、、、、


薬草だって!


・・・おい、クワンリ

なんとかなるかもしれないぞ。

明日その子供を探しに行こう。


クワンリは目を見開いて一瞬驚きの感情を見せたが、直ぐに微笑んで頭を揉みくちゃに撫でて来た。


脳が揺れる。やめろ。

膝から降り抗議のニャーを発してやった。



クワンリに詳しく薬草の事を聞くと花束の中に二種類の薬草があるらしい。

人族にはただの雑草なのだが、クワンリの特製魔道具があれば薬となるのだと言う。

それを売って生活費にすれば良いのではないかと提案して見た。


・・・そうか仕事を作ってやればいいんだな。

素晴らしい案じゃないか。

このダンデ草は虫除けの香に、こっちのカスミレ草は眠くならない鎮痛薬になるのだ。

ああ、、、しかし問題がある。

魔術具につける魔性石が私の魔術具分しかないのだ。

私の不注意で無くさなければ、、、



終わった事をいつまでも悔やんでいても始まらない。

過去には戻れないのだから、どうにもならない事に頭を使うのならこれからの未来に向かって頭を使う方が生産的である。

そんなことより先の事を考えるって、なんと言ってもワクワクするではないか。


翌日、朝早くから花売りの子供を探しを始めた。

クワンリが花を買った通りを手始めに探し始めて見たが、なかなか出会う事が出来ない。

また元の通りに帰ってきて子供が来ているのではと思ったがいない。

太陽が空の天辺に差し掛かる頃一匹の野良猫が物陰からジッとこちらを見ている事に気が付いた。

ダメ元で思念を使って意思の疎通を試みた。



・・・出て行け

縄張りから出てってくれ

噛むぞ!ひっ掻くぞ!


やった、意思が通じる!

・・・餌場も荒らさない、メスにもちょっかい出さない、用事が済んだらすぐにいなくなる。

だからちょっと教えて欲しい。この辺りで花を売っている痩せた子供を知らないか?

その子供を探しに来ただけなんだ。



・・・ああその子供ならカルシマ通りの孤児院の子供だ。昨日から姿を見せて無いな。



・・・ありがとう、助かった。

すぐに立ち去るよ、俺はあそこで凹んで座っている女に飼われている。

縄張りを荒らす事は無い。

安心してくれ。



・・・フン!

山猫のくせに飼い慣らされやがって。


・・・ミルク粥美味いぞ、お礼に今度ご馳走するよ。

テントの宿の22番に来てくれ。

じゃ!



野良猫と別れ凹んでいる飼い主の元へ向かう。

凹んでいて可哀想なので顔を足首に摺り寄せてやる。


最近猫の習性が身に付いてきてしまっている様だ。

このまま猫になってしまうのでは無いかと思い、自重しなければと思うのだが、身体が勝手に動いてしまう。

情けない、、、、


・・・クワンリ!わかったぞ!

カルシマ通りって所にある孤児院に居るらしい。


・・・なぜわかった?

誰に聞いたのだ?お前は人と意思の疎通はしない方が良いぞ。


野良猫に聞いたと説明したらクワンリは

・・・でかした

と言ってまた頭を揉みくちゃに撫でて来た、脳が揺れるがそのままされるがままになっていてやった。

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