ⅩⅣ 小さな。
小さくうなづいた。
「じゃあ、明日、学校が終わったら、先生と行こう!。」
「はい。。。」
返事はしたけれど、先生に迷惑かけちゃう…。私は、私は…どうしたらいいの?。
「今、迷惑かかるな、とか思ってたでしょ?。気にしないで。私明日、婦人科に用があるから。」
先生は笑顔で言った。
次の日
先生と、放課後に先生が通ってる婦人科に行った。
婦人科の先生はベテランそうな顔つきの女の先生だった。
「あら、朝川さん。そちらの子は…娘さん?。」
病院の先生は私を見ると、言った。
「いいえ。私の教え子です。今日は、私じゃなくこの子を診察してあげて下さい。」
朝川先生は私をみて言った。
病院の先生は少し驚いた顔をしたけれど、私を見て微笑むと、
「分かりました。」
と、言ってうなづいた。
「私は、院長の林です。よろしくね。」
「よろしくお願いします。」
林先生は私に自己紹介した。私もぺコリとお辞儀をする。
「あー、いるね。ここ。見える?。」
ベットに横になって、機械をあてられた。
「はい。」
小さい、小さい、命が今、私のおなかに…。
そう思うだけで、泣きそうになる。
「今、四ヶ月目に入ったところです。」
先生はそう言って、私に説明を始めた。
「中絶を望む場合は、手術を受けることができます。ただ、はやめに決めないと、中絶できなくなります。それと、親御さんときちんと話してね。」
親に相談・・・。
先生と帰り道を歩いた。
不思議だった。私の体に小さな命が宿っているなんて。
「未夢ちゃん。」
先生が私に声をかけた。
「相手は、春哉くんなんでしょう?。」
小さくうなづく。
まさか、こんなことになるなんて、一つも思っていなかった。
「親には、自分から言える?。」
親・・・。首を振る。
「先生が言ってもいいよ。」
それも嫌だ。わがままと言われればそうかもしれない。
でも、でも…。
先生と別れ、家に入った瞬間のことだった。
読んでいただいてありがとうございます。
次回もお楽しみに。




