ⅩⅢ 怖かった。
ここから、本編になります。
あまりすごい描写はありません。一応R15つけさせていただきました。
全員教室に帰され、残りの時間自習となった。
ドキドキ…周りがざわざわしていても、自分の胸の音がよく聞こえる。
妊娠。その言葉を聞いた瞬間、急に怖くなった。
まさか、とは思うけど。まさか…ね。
そこまで考えてはいなかった。
私ってなんて考え不足なんだろう。
帰り道。
春哉を先に帰らした。どうしても寄りたい場所があったからだ。
学校からも家からも一番遠いドラックストア。
ほんとは一人で買いに行くのは心細かった。怖かった。
だけど、もう、これしか思いつかないんだもの。
お財布の中身を確認して、検査薬に手をかけようとした瞬間、
「未夢ちゃん?。」
びくぅ。全身が震えた。声のした、後ろを見ると朝川先生がいた。
言葉をしゃべろうとしているのに、声が出ない。
怒られる!。なぜそう思ったかわからないけど、本能的にそう思った。
朝川先生は私が何を買おうとしていたのか分かったようで、
「うちにおいで。」
と優しく微笑んで言った。
先生の家は小さなアパートの一階だった。
「どうぞ。」
「お邪魔します。」
リビングらしい対面式キッチンがある部屋に通された。
そして、先生はかわいい猫がらのコップに麦茶をよそうと、私に差し出して、自分の分もくみ始めた。
そして、戸棚から私がさっき買おうとしていた検査薬を出した。
「これ使いな。ちょうどあまってたし。」
そして、私にさしだした。
「ありがとうございます。」
先生に感謝の気持ちを込めて深々とお辞儀をした。
そして、陽性ではないことを祈った。
「どうだった?。」
先生の質問に私は答えられなかった。
涙がふいてもふいても止まらない。
…どうしよう…。
先生はそんな私を優しく抱きしめてくれた。
「未夢ちゃん。お母さんにこのこと自分から言える?。」
首を横に振る。
「先生、このことお母さんに言ってもいいかな。」
首を横に振る。
ダメ…、お母さんには言わないで。
迷惑かけたくない…。
「でも、お母さんに言わないと、今後のこと…。」
分かってる。
でも、でも…。
迷惑かけたくない。
「じゃ、未夢ちゃん。先生と婦人科に行って、ちゃんと確認してから、それからにしよう。それから、お母さんに言おう。」
先生はそう言って、私にほほえんだ。
「はい。」
読んでいただいてありがとうございます。
次回もお楽しみに。




