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一般人は強者を目指す -チートなんていらねぇ-  作者: Lizard
第一章 強者の村人
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第六話 エルさんは鍛錬のために村の外へ

今回セリフ少な目・・・説明が多いので読みづらいかも(;。ω。)


エルが6歳になった日。その日を境にエルが両親としていたある約束が実行される。

その約束とは、6歳になれば一人で外を出歩いていい、というものである。


エルはこれまで、家で母親であるメルリーナから言葉を教えてもらい(既に喋ることは問題なくできていたのだが隠していたため)、魔法の練習もしていたのだが、当然家の中でできることは限られる。エルがしようと思っていた肉体的な鍛錬や戦闘訓練があまりできないのである。魔力操作に関しては寝ていてもできたし、弱い魔法ならば家の中でも使えるので(一度火を魔法で出して間違ってベッドに燃え移り、慌てて水魔法で消して焼けた部分を全力で隠すといったことがあったりはしたが)、魔法の鍛錬はかなり進んでいた。魔法を使い魔力を消費することで魔力が増える、ということは検証済みである。

 弱めの水魔法を連続して使い、体にけだるさが襲ってくるような感覚、つまり魔力が0になった時、までに使った魔法の回数をはかり、次の日に再び使ってみれば使える回数が増えていたのである。(魔法の使用に慣れたせいで一度の魔力使用量が減った、ということも考えたのだがエル自身が体内の魔力が最初に比べて強くなったように感じていたためそう判断した)

魔力の回復がどれくらいの速度なのかは分からなかったものの、魔力が一度0になり、その次の日には全快しているように思えた。

とにかく、魔法の鍛錬は問題なかったのだ。


すでにエルは回復・水・火・風の四つの属性を身につけている。実際に魔法を使ったわけではないが(部屋の中だったため)土の属性の魔力操作も練習し、手の先にまで魔力を運べるようになっている。


 だが、肉体的な鍛錬はそうはいかないのだ。


そもそも、魔法の鍛錬というのは先ほどものべた通り、寝ているように見える状態ですらできる。

エルの父であるファンドルトはほぼ毎日、畑仕事と狩りにいそしんでいる。エルの住む村はかなり小規模で、村の近くにある"魔棲(ませい)の森"とはまた違った森で魔物や獣を狩り、村で農業をして野菜や果物等を作っている。ほぼ自給自足で、家具や一部の嗜好品、または調味料など、村では手に入らないものを町に買いに行くことで生活が成り立っている。エルの母であるメルリーナも家事以外の時はほとんど畑仕事を手伝っている。家にいるのは畑仕事の前後、そして昼飯時ぐらいなのだ。そのおかげで(メルリーナとファンドルトはエルとの時間をあまり作れないことを嘆いているが)、エルは多くの時間を鍛錬に費やせている。夜寝る前はメルリーナから言葉を教えてもらってはいるが、それも元々独学で覚えた言葉の答え合わせ程度のものなので、大した時間もかからず言葉を覚えている。

勿論、空いた時間に多少なりと体は鍛えている。


 しかし、やはりそれでは足りないのだ。


走り込みもできなければ、強い魔法を使うこともできない。勿論、村から出ることを、両親は許しはしないだろう。しかしエルの考えは・・・


(約束は一人で外に出歩いていい、だったよな。なら、村の外に出ても問題はないはずだ)


普通に考えれば屁理屈である。村の外の森は、"魔棲の森"ほどではなくとも、弱い魔物はでるのだ。そもそも、普通の獣も子供にとってはかなりの脅威である。故(ゆえ)に、エルはファンドルトから村の外の危険性や森の歩き方をかなり教えられていた。これに関してはファンドルトが元冒険者であったことも理由の一つである。さらに、村の外に出ずとも、村の中でもできる鍛錬は多い。


(けど・・・それじゃぁ、強くなれないんだよなぁ)


村の中でもできる鍛錬は家に比べれば多いだろう。だが、エルは魔法を使えることを隠している。その鍛錬ができないというのは、エルにとってかなり大きい。加えて、5歳の子供が全力で鍛錬に明け暮れている光景というのは、どこかおかしいと感じるのが普通だろう。あまり怪しまれたくなかった。

そんな考えから、エルはこの日村の外に出ることを決めた。

この村は特に壁というものはない。代わりにあるのは、大人の背丈よりは高い、という程度の外側に棘のついた柵だけである。"魔棲の森"から多少離れているとはいえ、稀に魔物がそこから来ることはある。だが、それはあくまでも稀に、だ。この村には魔物の侵入を防げるような壁を作る資金もなければ、労働力もない。村の近くにある森は、"魔棲の森"に比べれば比較的一般的な森だと言えるだろう。

 つまり、その森には強力な魔物はいないのだ。ごく稀にでてくる"魔棲の森"の魔物を討伐することさえできれば、あとはある程度の高さのある柵だけでも村に侵入されるということはめったにない。村の近くにある森は、"魔棲の森"から見ると村をはさんだ反対側の位置にある。さらに、村の周囲はかなり平らな土地で、大きな岩があるわけでもない。それは村から"魔棲の森"までの土地も同じである。

つまり、"魔棲の森"の魔物が村に来る前には、必ずと言っていいほど発見できる。その間に討伐隊を作ることができるのだ。

故に、資金を無理に作ってまで高い壁を作ろうとはしないのだ。だが、これはエルにとっては幸運だと言えた。村をかこっているのが柵であったために、上ることはそう難しくはなかった。


そして、エルは村の外に出た。向かう先は、村から近い森である。そこは平均的に見れば大きい森だと聞いていたため、そこであれば魔法を使っても問題ないと考えたためだ。勿論、人が入ってくることもあるため、その点は気を付けなければならない。だが、村で行う狩りというのは、行われる日が決まっている。そのため、狩りをしない日に森に入れば、人と出会うことはほぼ、ほとんど、全くとは言えないが、ないだろう、多分。


(やっぱ体力つけないとなぁ・・・ひたすら走ってみるか。そうだ、あ(・)の(・)方(・)法(・)を試してみるか?)


エルの言う鍛錬の方法。それは、回復魔法を用いたものである。


走っていれば、体力を失う。当然のことだ。だが、回復魔法は体力を回復することはできなかった。


しかし、走っているときに問題なのは、何も体力だけではない。筋肉が痛んだり、足そのものを痛める場合もある。

つまり、エルが回復魔法を使ってまでしようとしている方法とは。

その痛んだ足や筋肉、所謂(いわゆる)筋肉痛も含め、全部直してしまおう、というものである。

この方法の利点はいくつかある。

一つ目に、足が痛まないことにより、長時間走り続けることが可能になること。

二つ目に、回復魔法の練習にもなるだろう、ということ。

そして最後に、筋肉の増強である。

人間の筋肉は、傷ついた後に回復することで傷つく前よりも強くなるのが普通。つまり、エルが考えたことというのは、もしかしたら走り続け筋肉が傷つきそれを回復魔法で直せば、もしかしたら筋肉が強くなるのではないか、というものである。もちろん疲労はある上に、魔力も使うため限界はあるだろうが。

この方法を思いついたのは村の外で行う鍛錬を考えた時であった。

しかし、この方法には懸念もある。


(回復魔法がどういう魔法かによるんだよなぁ・・・肉体を元(・)に(・)戻(・)す(・)ものなのか、肉体の再生能力を高めるものなのか)


エルは、前者であればこの方法での筋肉の増強は失敗し、後者であれば成功するとふんでいる。


(それに・・・前世じゃあ幼い時に筋肉をつけすぎると身長が伸びない、みたいな話もあったんだよなぁ。ドワーフ体形にならなきゃいいんだが)


今向かっているのは子供にとっては十分な脅威である獣や魔物がでる森なのだが、少々ずれたことを考えているのはエルの緊張感のなさ故か

筋肉の増強についての記述は詳しく調べたわけではなく、あくまで僕の今まで聞いたことがある情報、という程度のものです!

(まぁぶっちゃけ異世界なんだし現実に当てはまらなくてもいいってのはあるんだけどね☆)

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