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言えない 癒えない
言えない 癒えない
この想い
沈みかけの太陽を
ぼんやりと眺めて
ふと……
涙が零れた……
溢れ出す想いが水たまりを作る
吹く風は微かに冷たく
頰を撫でる 心を撫でる
僕の当たり前は
瞬きの速さで崩れ去った
たった一度の本気
たった一度の嘘
たった一度の……
君の横顔を眺めるのが好きだった
君の一生懸命な姿が好きだった
君を君だけを好きでいた
君も僕が好きだと言った
いつの間にか当たり前になっていた
初めてのキスの味も忘れて
初めてのデートのドキドキも忘れて
いや……
当たり前になっていただけ
次第に何も感じなくなった
ドキドキも無くなって
隣にいる君が当たり前で
当たり前のように君の横顔を眺めて
ふと 幸せだ と感じた
今となって
君には言えない 癒えない想いがある
時計の針は
君との当たり前の時間が終わることを
僕に告げた
ゆっくりと瞼を閉じて
君を思いながら眠るだろう
朝が来ないことを信じて……




