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第二十話

 それから数時間後、昼食の準備ができ、五人は一緒の食卓に着いた。


上座にキース、その片方のサイドにはリリアとニール、反対のサイドにはマイケルとマリーが着く。

 食卓にはマリーが用意したサラダとパスタ、デザートのフルーツ、そして、リリアの白いパンがいつもの倍の量、準備されている。

 そのパンの量を見たキースが思わずため息を付く。


「リリア、せっかくだが、流石にこれだけの量、五人では無理だぞ」


 リリアはフッと笑って答えるのだった。


「キース様のお食べになる量がいかほどかわからなかったので、いつもの倍程作らせていただきました!!」


 いつもの倍と言う言葉にキースは苦笑いする。


「流石に俺でもこの量はきついわ」


 マイケルが嬉しそうに話に割り込む。


「キース様、それでしたら、私がその分頂きますので、残して頂いて大丈夫ですよ」


 マイケルは任せとけと言わんばかりに自分の胸をたたくのだった。


「それ以上お腹が大きくなったら、私兵団の制服着れなくなるわよ」


 笑いながらマリーに突っ込まれたマイケルは恥ずかしそう。


 その様子に笑いながらリリアはキースに話しかける。


「キース様、全部食べなくても残して頂いたら、残りは夕食にでも頂きますので、気にせず、お好きなだけお召し上がりください」

「ああ、ありがとう」


 キースは礼を述べるのだった。


 そして、食事を始めた5人は一斉にパンを食べ始める。初めてリリアのパンを一口食べたキースが叫ぶ。


「なんだ!! このやわらかいパンは!! いつも食べてるパンが石のように感じる……」


 何故かマイケルが自慢げにキースに話す。


「でしょ、キース様。俺が飲み物と言った理由がわかりましたか?」


 キースはマイケルに頭を下げた。


「スマン。これほど柔らかいとは……王都でもこれほどの物は食べられないぞ。リリア、これは一体……」

「私の食べたいようにパンを作っているだけなのですが……」

 

 リリアはやりたいように自由にパンを作っているだけなのでキースの賞賛の言葉に不思議そうに首を傾げた。


「お前の食べたいようにか?」


 リリアの言葉にキースは驚きを隠せない。


「ええ、そうです。王都や領都の公爵家の屋敷とは違って、ここにいれば、私の食べたいパンを好きに作れます。なので、その時の気分に合わせていろいろと作っています。今日はキース様に食べていただくために柔らかい白パンにしました」


 マリーがキースを嬉しそう見る。


「キース様、リリア様は食事ごとにいろんなパンを作ってくれるので、私も毎食楽しみなんですよ」


 ニールも負けずにキースに訴える。


「こんなおいしいパンが毎食食べれるなんて天国です!!」


 キースはマイケル、マリー、ニールがあまりにもパンを楽しみにしているのが気になり、興味深々でさらに話を聞くのだった。


「いつもはどんなパンを食べてるのだ?」


 マイケルが何故かまた自慢げに説明を始める。


「四角い薄めの周りが茶色くて固くて真ん中が白いパンや牛の角みたいなバターの味の凄いするサクサクのパンやソーセージを挟んだパンやパンの中にクリームの入った甘いパンなどなどいろいろなパンを食べてますよ。サイコーです!!」


 キースは眉間にしわを寄せている。


「なんだ? 聞いてもどんなパンかまったくわからん」


 キースはよくわからないとばかりに首を傾げるのだった。

 リリアが申し訳なさそうにキースに提案するのだった。


「公爵家の跡継ぎの方にお伝えするのも気が引けるのですが……朝の残りのパンがありますので、よろしければ食べてみますか?」

「どんなパンだ?」


 キースは興味深々。リリアは朝の残りのパンについて説明を始める。


「マイケルさんがソーセージを挟んだと仰っていたパンです」


 キースは考え込むように腕組みをする。


「一般的に丸い固いパンしか世の中にないと思っていたが、ソーセージを挟んだと言うのが意味が分からん。ぜひ、食べさせてくれ」


 キースの返事を聞いたリリアが席を立ち、台所に朝食の残りのパンを取りに行く。

 マイケル、マリー、ニールはキースが待っているのを気にもせず、白いパンをパクパクとパスタやサラダとともに食べ進めていくのだった。キースは三人の様子を見て呆れかえる。


「おまえら、俺を待つとかいう気持ちはないのか?」


 三人はニヤニヤ笑う。


「キース様、そんな気の小さい事仰る方じゃあないですよね」


 マリーがそう言ったかと思うと、ニールが続ける。


「キース様、僕、暖かいうちに美味しいパンを食べたいので、申し訳ありません」

「私もリリア様のパンだけは誰にも譲れないので申し訳ありません」


 マイケルも待つつもりはないとばかりに謝るのだった。


 パンを食べる手を止めない三人の言い分を聞いたキースは呆れる。


「どれだけパンの虜なんだ」


**パンのイメージについて**

四角い薄めの周りが茶色くて固くて真ん中が白いパン=スライスされている食パン


牛の角みたいなバターの味の凄いするサクサクのパン=クロワッサン


ソーセージを挟んだパン=ソーセージパン(棒は刺していないもの)

  フランクソーセージ??ホットドッグ??


パンの中にクリームの入った甘いパン=クリームパン


をイメージしています。


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