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狂気 2

 トーゼツ、メユー、ウッデルの三人は村から出て、森を進み、そうして数日が経ち、ようやく目的の場所であるハルドの首都、レーデルへとたどり着く。


 「ようやく人が多くいる所に来れたな。これで少しは安心出来る。良し、ここまで一緒に移動してくれて感謝する。もう少し、頭の中を整理したいし、これからどう生きないといけないのか。あの村をどうするべきなのか、やることも、考えることも多い。ここで俺は別れたいんだが、良いか?」


 レーデルへと入ってすぐに、ウッデルは二人へそのように言ってくる。


 もちろん、問題はない。これ以上、ウッデルと共に行動する理由はないし、引き留めて束縛する必要もない。あの村で出会ってすぐはとても不安定で、混乱状態。何にでも襲い掛かるような雰囲気であったが、今はもう一人で大丈夫そうだ。


 であれば、ここで別れることを拒否する理由はない。


 「ああ、良いぜ?メユーも別に問題ないよな?」


 「ええ、あっ、でも少し待ってて」


 そうして、メユーははがき一枚分ほどの羊皮紙を取り出す。


 現代では植物由来の紙も大量生産されており、羊皮紙というのはかなり珍しい。だが、魔術師の間ではこの羊皮紙を愛用するものは少なくはない。


 魔術というのは、魔法陣を描き、そこに魔力を流し込み、発動させる。


 そして現代の魔術では、魔力を練り上げ、操作し、空中や地面に魔法陣を描く。そして描いた魔法陣に魔力を流し込み、魔術を発動させる。


 この方法は素早いうえに、ある程度の魔力操作さえ出来れば誰でも使える技術となっている。そこが大きなメリットであり、戦闘時にはかなり良い方法だ。


 しかし、デメリットも存在する。それは描く、発動で二回、魔力を魂から生成し、練り上げている。つまり、手書きで描けば魔力を消費しなくても魔術の発動は可能。なのにも関わらず、魔法陣を描くのに魔力を使用しているという無駄な魔力を浪費していることになる。


 だから、事前に紙に魔法陣を描いておく者もいる。そういう技術を符術と呼ばれている。


 だが、魔力はエネルギーの塊。一般的に普及している紙などを符術で使用すれば、紙が耐えきれない。きっと一発、発動させただけで紙は燃え尽きる。いわゆる使い捨てという奴だ。


 だが、羊皮紙は獣の皮で出来ている以上、丈夫である程度、数回、魔術発動させた所で燃え尽きるようなことは起きない。


 だからこそ、魔術師の間では羊皮紙というのは必須とはいかないものの、持っていることが多いアイテムなのである。


 「これは連絡系統の魔術が付与されているふだよ。魔力も事前に流し込んであるから、魔法陣に触るだけで発動するわ。何かあったら連絡するし、して頂戴」


 そうして、彼女はウッデルにふだを手渡す。


 「ああ、分かった。何もないことを祈っておくとするか。それじゃあ、また何処かで会えたらな」


 そう言ってウッデルは街の何処かへと歩いていく。


 「それじゃあ、俺たちは冒険者ギルドに行くか」


 そうして、二人はレーデルの冒険者ギルドへと向かうのであった。

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