狂気 3
色んな街の人から冒険者ギルドの場所を教えてもらい、数十分後。トーゼツとメユーはレーデルの冒険者ギルドへと到着する。
この前まで居たセイヘンの南部国境の都市に比べれば小さいものであった。中に入ると、すぐに受付のカウンターがあり、奥にはいくつかの椅子とテーブルがあり冒険者が待機できるような場所が広がっていた。現在も、食事をしたり、武器の手入れをしている者たちがそこにはいた。
二人はは迷わずカウンターの方へと向かい、受付役の女性に話しかける。
「すいません、冒険者の手続きをお願いします」
トーゼツはそう言って、一枚の封筒をカウンター上に置く。
それは、彼の冒険者としての証明書のようなものである。
冒険者ギルドというのは、それぞれの国で管理していたり、その領地を支配している貴族、または自治会などが運営していることが多い。
しかし、冒険者は旅をしながら活動する者も多い。
ゆえに、国を超えて冒険者活動する者を支援するギルド連合というものがある。
この連合から発行された冒険者証明書をギルドに提示さえすれば、誰でも簡単に冒険者の手続きをすることが出来るというものだ。さらに、活動経歴なども書かれているため、どれほどの実力があり、信頼出来るのかも判断可能になっている。
「私も」
メユーも遅れて同様に自分の持っていた封筒を受付の女性へと渡す。
受付の女性はその場で封筒を開け、中の書類を確認する。が、受付が真っ先に見ているのは書類に押された判子とサインであった。
ギルド連合がちゃんと発行した書類であるという証明の判子、そして連盟長の直筆サインによってそれが正式の証明書であるという証拠になる。
「……えーと…大丈夫そうですね。書類が正しいものであると確認しました。これから書類の詳細内容や経歴の方を確認いたしますので、十分ほどお待ちください」
受付の女性はそう言って、カウンターの奥へと行ってしまう。
ここでずっと立って待っておくのも、ただ無駄な時間を過ごすだけである。それであれば、やるべきことがある。そう思い、二人は奥の待機場所の方へと進む。
「なぁ、アンタ。少し時間あるか?今、人を探していてな」
最も近くにいた、剣を布で拭いている戦士へと話しかける。
剣には油がついており、それが獣のものであると一目見てトーゼツとメユーは理解する。きっと、魔物狩りの依頼でも受けて付着したものだろう。
またテーブルの上にいくつもある布。まだ使われていない、新品のものもある。だが、油がべったりと付いていたり、血が付いているものもある。かなり剣を酷使したというのもそれで分かる。
「ん?あぁ、良いぜ。武器の手入れしながらでも良いなら、話を聞いてやるよ」
一瞬、トーゼツ達の方へと視線を向けるが、その手を止めなかった。また、すぐに視線は武器の方へと戻っていた。
「最近、大きな鎌……死神みたいな武器を持った奴を見ていないか?」
「そんな奴、見たことないな。仮に会っていたとしても、そんなでっかい武器持ってるなら忘れることはないだろしな。まぁ、高等品の魔具の中には武器を亜空間から出し入れするものもあると聞いたことがあるし……まぁ、とにかく俺は知らんってことだ」
「ありがとう、それじゃあ……」
そう言って、別の冒険者に尋ねようとしたところで
「あーーーーーーー!!!!」
がた、と椅子から立ち上がり、こちらを指差す少年がいた。




