墓場で会いましょう
人間、能力者、そして…、
墓場に風が吹いていた。
だんだん強くなっていく風は社やその裏手の破れ寺をゆらゆら揺らしている、
その破れ寺の中に人間が二人居た。
魔人ムシン【黒髪の日本人】、そして馬鹿力のしろう【オタク青年】で、
話をしている、
蝋燭の明かりの中を魔人ムシンが切り出す。時刻は午前二時を過ぎていた。
「世界が滅亡する、予言?」
「うん、」しろうは頷く、
「その予言は【絶対に世界が滅ぶ】って書いてあったのか?」
ムシンが言ってしろうが首をかしげる、
「そうだよ、ムシンさんが知らないだけで大半の予言と言う物は絶望論なんだよ」
「知っているよ、只、じゃあ」
「じゃあ?」しろうが本気で首をかしげる、
「預言者は全知に近いのだろうか」
魔人ムシンが言って夜風がわっと吹いた。
しろうが言う。「???…悪いけど、魔人ムシンさん、が何を言いたいのか解らないよ?」
ムシンが話し出す。
「預言者は【普通の人間】だよ、これは絶対にそうだよ、単に【一般論】を本に書いただけだ、色々子供向けの誤魔化しはあっても世界が滅亡するのを示唆している、しかしね?」
ムシンは更に言う。
「世の中は説明が付かない現象で溢れている、預言者はそれを知らない一般人だ」
しろうが厳しい目線を魔人ムシンに向ける、
「それは逃避ではない?」
魔人ムシンは薄く笑う。
「それは絶対違う、逃避ではないです」
言った…。
不思議な現象について大半の人間は、虚無だと言う。
しかしながらそれは…、
「不思議な現象などそもそも有りはしないとたかをくくる、だから調べない」
…その結果だと魔人ムシンは言うのだ。
しろうが厳しく問いただす。
「?じゃあ怪異なんてのが本当にあるの?預言者は一般人だからわかる訳ないの?」
…、
人間、能力者、そして怪異、
未来は計り知れない何かを巻き込みながら形づくられていく、
それが絶望でも、希望でも、何もしないよりはリスクがない何かをしたほうが良いかもしれない、
魔人ムシンが言う。
「少なくとも、怪異が存在するのかどうか調べるやり方はいくらでもある、多少、いや言わない方が危険だ!」
【世界の有り方】を調べれば怪異が存在するのかどうか等は解る事かもしれない、誰でもそれは可能かもしれない、
魔人ムシンが続ける、
「だが哲学的にであれ!化学的にであれ!怪異が存在するのを知ったら必ずそれが【気に入らない】人間が現れる!」
しろうは項垂れたまま動かず言う。
「…この世界はとっくに滅んでるはずなんですか?」
破れ寺に吹く風が暴風に変わる、蝋燭が消えた。
「…、風が強いなあ、雨もふりそうだ」
「!答えに成ってないです!さっきまではっ!」
魔人ムシンが襖を開けた。
「もう、やめよう、しろう君」
「帰ろう…」
外には只夜の闇が広がっていた




