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騙されたのはアナタ  作者: たかを
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6/11

種明かしの話 後編

更新が遅くなりすみません‼︎


  事の発端は五年前にまで遡る。

  

  

  元々、昔から各地にそのような話は存在していた。

  

  何処そこの国では、王太子が生まれたころからの婚約者と婚約を解消し、身分の低い女性と真実の愛に目覚めたとか。

  また違う国にはお忍びで城下町に来ていた高位貴族の令息が、平民の女性と運命的な出会いを果たしたとか。

  

  

  過去まで遡るといくらでもそのような記録はいくらでも出てくる。

  

  しかしここ数年間で、他国での婚約破棄と運命の女性との出会いという話が、不自然なほどに耳にする機会が増えた。

  

  

  隣国の王太子からその話が聞こえてきた時、以前から交流があった第三王子が我が国に訪問することになった。

  

  私とエリオット殿下が応対することになり三人でお茶会をした。

  

  あらかじめ人払いした中央庭園で、第三王子は疲れ切った顔で例の一件を語り始める。

  

  

  曰く、王太子は幼い時に決まった婚約者と疎遠になりつつあり、隣国の王立学園で出会った特待生の平民の女性と恋仲になっている。

  

  曰く、その平民の女性は王太子殿下のみならず、王太子殿下の側近や将来有望の高位貴族の令息たちとも懇意にしている。

  加えて、第二王子もその女性と仲睦まじくし始めた。

  

  この女性に夢中な兄たちは公務を怠り、代わりに第三王子の自分がこなしているとのことだった。

  

   

  連日の公務と兄たちがその女性の貢物の費用と決済、さらに度重なる問題。

  

  その疲れが重なり、今の自分はどうすればいいのかわからないと。

  

  

  今回の訪問は友人であるエリオット殿下に助力を乞うことが、目的だったらしい。

  

  

  エリオット殿下と私はそれに快く承諾し、その女性を調べることから始めた。

  

  

  結論から言えば、ここ最近耳にする各国の婚約破棄の話は、とある犯罪組織が糸を引いていたことがわかった。

  

  

  

  貴族の一部がこの犯罪集団に依頼し、国家の転覆や自身が国王となり変わるために、計画を企て実行犯を送り込む。

  

  

  今まで耳にしてきた国々の末路はとても悲惨なものが多かった。

  

  罪のない王族が死刑に処されたり、国自体が滅亡していたり。

  

  無論例の女性も、この犯罪集団の実行犯の一人だった。

  

  

  その事実に行き着いた時、私の従者としてアルバートが公爵家にやってきた。

  

  

  予め調べていた調査資料にアルバートと同じ外見の者がいたことは、エリオット殿下も私も記憶済みであった。

  

  

  エリオット殿下と二人でアルバートをどうするか話し合った時、殿下はこう提案した。

  

「——王太子殿下である兄上には既に王太子妃がいる。だから奴らの標的になるのは、きっと私だろ。…ルイーゼ、君には芝居に付き合ってもらいたい」

 

「芝居、ですか?」

 

「遅くてあとニ、三年の間に女の実行犯がやってくる。その時、私は婚約者ではなくその女と懇意になるから、君とは距離を置かせて欲しい」

 

 

 

  仕方がないこととはいえ、その計画には素直に頷けなかった。

 

  しかし、私よりも辛そうな殿下の顔を見て、この計画に乗ることに決めた。

 

 頷いた私にエリオット殿下…リオは優しい手で私の両手を包み込むと、真っ直ぐ私を見つめる。

 

  

「この一件が片付いたら、君と結婚したい。兄上にも許可は(もぎ)取ってある」

 

  

  その言葉で私はリオを待ち続けることを、密かに誓ったのだった。

  

   

    

     

  

   

   


2021.1/4 誤字修正しました。

2021.1/9 年月に違和感があった為、修正しました。

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