巡る世界に終止符を

恋愛ゲームの世界に転生、なんて小説や漫画だけの話でしょ。そう思っていたはずの私は突如、かつての自分を自覚する。立場は第三者。主要キャラクターとは全く絡まない、日々の噂話を提供する文字だけの存在。ちょ、ちょっと待って。作りかけの、愛しい緑色はどうなったの？　戻れるのよね？　あ、けれど大好きなゲームの中に入れるなんて、貴重な体験かもしれない。主人公もいい子っぽいし、このままゲームクリアしたら戻れるかも。

　繰り返される世界からの脱出を目論む、お話?


2章　ピリオドの向こう側

　世界樹に支えられえてある世界。そこに人々は生きていた。
　かつて多くが持ちえていたという守護や加護、それが一部の特権となり、瘴気から生まれる魔物が跋扈するとある町に住む少女は空を見上げる。

　住まう場所は花の町。一夜限りの春を売る場所。
　幼い頃からなぜか見ることが出来る瘴気の謎を学院に入り探すことになる。