第23話
第23話「学祭とお隣さん⑤」
「もしもしございました松井です。え?本当ですか?分かりました。すぐに向かいます」
「どうしたの文也。今から花火だよ」
「じいちゃん倒れたって」
「え?それ本当に言ってるの?」
「ほんとだよ。今すぐ行こう」
「そうだね、花火は来年にお預けだね。千乃ちゃんごめんね。また今度」
「ちょっと待って、千乃さんさえ良ければついてきてくれないかな」
「なんでよ?千乃ちゃんに悪いでしょ」
「いつかお隣さんを連れて来いってじいちゃんに言われたんだ」
「いいよ、はやく行こう」
僕たちは3人でじいちゃんのいる病院にむかった。電車の中で僕も姉さんも動揺を隠せない。当然だろう。大学の学祭で楽しんでいたのに急にじいちゃんが倒れたなんて言われても実感もない。
それから僕たちは病院に着いた。急いでじいちゃんの病室にむかった。するとそこには僕たちの想像を絶する姿のじいちゃんがいた。じいちゃんがこっちを向いた。
「おお、文也と青星じゃないかどうしたんだ?」
僕と姉さんはきれいに声がそろって言った。
「どうしたじゃないでしょ、倒れたって電話が来て急いで来たんだからな」
「文也、青星こっちに来い」
僕と姉さんが近づくとじいちゃんがぎゅっと抱きしめてきた。
「すまなかったな心配をかけてしまって」
「もう、心配したんだから」
家族のこんな姿を見せられたらこっちまで涙が出てきそうだ。
「そう簡単には三途の川を渡らせてもらえなかったようじゃな。ハッハハッハハー」
「冗談でもそんな事言うなよじいちゃん」
「すまんすまん、それでそこの嬢ちゃんは誰じゃ?」
「あの人は文也の家のお隣さん」
「始めまして一ノ瀬千乃と申します」
「これはこれは孫がお世話になっております」
それからのじいちゃんはもの凄かった。文也はどうだ?とか千乃さんに一方的に質問攻めをしていた。終わらないのなんので面会終了時間が来た。
「じゃあ、じいちゃん俺ら帰るわ。またな」
「おう、またな。よければ千乃さんもうまた来てくれんか?」
「はい、また来ますね」
僕たちは帰り道でコンビニに寄った。
「花火見れなかったから花火買って行こうよ」
「いいやん。やるじゃん姉さん」
僕たちは花火をした。みんなが学祭で見たものとは違うかもしれない。でも僕たちは僕たちの良さがある。
青星ちゃんは花火を取り出してさっさと花火を始めた。
「千乃ちゃんと文也もはやくやろうよ」
青星ちゃんはそう言ってきたがそれはできなかった。今は寝ている文也くんに肩を貸してあげなきゃ行けないから。
「ごめんね、少し寝かせてあげよう」
きっと今日は疲れたのだろう。
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