第12章 東の国の陰謀 暗殺者の災難⑥
「問題は確かに無いが、お前はそれでいいのか?」
「僕ですか?大丈夫ですよ、一人じゃないですし」
「何だ、気が付いていたのか」
物陰からロックがシェラックを連れて現れた。
「ロックだけなら気が付かなかったかも知れませんが」
「なんだ、私が気配を消せていなかったとでも言うのか」
シェラックが少しだけ声を荒げて言うが実際の所ルークはシェラックの気配で気が付いていた。
「なっ、なんだお前たちは、いつからそこに居たのだ」
「割と最初から居たさ。ルークの跡を付けるお前の気配を感じたから付いてきたんだ」
シューリーは自らの姿を消していた筈だった。勿論気配も消していたがルークにもロックにも悟られてしまっていた。シューリーは魔道を隠蔽することには長けていたが自らの気配を絶つことはそれほどではなかった。というよりもルークとロックが敏感過ぎる、ということだった。
「それでこいつをそのまま逃がすのか?」
ルークのことを理解しているロックはそんなことは聞かない。最初から分かっていたことだ。聞いたのはシェラックだった。
「だめですか?」
「ちゃんと情報を吐かしてからだろう」
「まあ、それはそうなんですが、拷問なんて出来ないですし、やりたくもありませんから」
「それなら私が」
「駄目です。僕が倒したのですが、その処遇は僕が決めさせていただきます」
ルークはロックが暗殺の邪魔をしようとしていることを把握していた。その際にシェラックを同行させるかもしれないと思っていたのだ。
だからこそ先に直接対峙して倒してしまいたかった。シェラックの手を借りたとすればシェラックの意見を受け入れなければならないとも限らなかったからだ。
「まあお前がそう言うなら仕方ないが、さっきも本人が言っていたがまた襲って来るかも知れないぞ」
「判っています。とりあえずリロン所長さえ標的にしないのであれば問題ありません」
シューリーの攻撃魔道を目の当たりにしてルークは負けない自信があったのだ。
「ロックも気を配ってくれるでしょうから」




