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【第4話-3年生の始まり】

 長い春休みが明け、3年生になって初めての登校日にアリスは期待とともに少し心配している事があった。それは学園トップ3の内の1人、ルーフ・オルトスに罵声を浴びせられることだ。

 アリスは『魔術の加護』という強力な加護を持っていながら落ちこぼれている、名門ミラージュ家の娘といっても落第寸前の事実に変わりは無い。

 名家に生まれながら落ちこぼれているアリスを陰で馬鹿にするものは多くいるが、ルーフは名門オルトス家の人間だ。アリスとの身分差は大して変わらない。

だからこそルーフは直接アリスを馬鹿にしてくるのだ。それも毎日のようにしつこく…。

 けれど、それと同時に久しぶりに唯一の親友と会えることが楽しみでアリスは複雑な気持ちのまま学園の寮を出た。


 * * *


 アリスが寮を出ると、寮のすぐそばに一人の人影が見えた。

 綺麗な紫色の目に、優しい印象の茶髪でショートヘアの少女が佇んでいた。

「おーい!こっちよ、アリスー!!久しぶりね!」

 アリスに声をかけて来た少女、それはアリスの幼なじみで唯一の親友…クラリス・ロンドだ。

 アリスは自分の頬が少し緩んでいるのにも気付かずに足早でクラリスの元へ向かっていった。

「おはようクラリス、久しぶりね!早起きの苦手なあなたが私より先に身支度を済ませてるなんて思わなかったわ…!ま、まさか春休み中になにかあったの?」

 と冗談混じりにアリスが言葉を返す。

 その言葉を予想していたかのようにクラリスは早口でアリスに返答する。

「ふふふ、そうなの!実は私、あと少しで大精霊との契約が許されるんだー!次の誕生日が来たら18歳になるからって!」

 そう答えるクラリスの右手には、大精霊との契約に必要な紋章が刻まれていた。以前まではなかった物だ。

 クラリスのいるロンド家は代々『精霊の加護』を受け継いできた名家だ。大精霊との契約を待ち切れない様子のクラリスの瞳は星のようにキラキラと光り輝いているように見えた。

「それ、ほんと!?クラリス、ずっと大精霊との契約ができる日を楽しみにしてたもんね!!いいなー!…あっ!いけない、遅刻しちゃう!急ご!」

 クラリスもそうだねと答え、2人は急いで学園に向かった…。

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