魔王城到着
ーなんだ、これ
俺がこの世界で言う”魔王城 を一目見たとき、口から出た最初の言葉はソレだった。
まるで魔族らしさを感じられない外装
科学で堅く守られた外壁と門、そして兵器。
ヘタをすれば、少し近代化した王都主城と言っても誰も疑わないんじゃないだろうか?
そんな感想だった。
「どうしました?」
ミラが視界の隅から顔を出す。
その顔は何処か不思議そうにしていた。
ー・・・・い、いや・・・・なんでもない。
突っかかりながらも、そう答える。
こんな異常な城、見たことがなかったので....なんて答えたらどう返されるか。
そんなのは火を見るより明らかである。
きっと変な目で見られるに違いない。
これでも一応、古来魔王の騎士だった(という設定)のだ。
古来人見たいな扱いをされても困る。
「門は”オートロックシステム と言って、魔族の技術開発部門の人が開発した
全自動で開閉する便利な守衛兵器なんです。」
ーほ、ほぉ
お、おーとろっくしすてむ? なんだそれは。
この銀色に輝く門。
見たことのない素材を使っているのか、妙に軽い動作で開き
驚く事に内側には守衛の一人も居らず、そして鎖も繋がっていなかった。
(ど....どーなっているんだ。)
だが狼狽える事は出来ない。
いや、するわけにはいかない。
ここで変に疑われたりすれば、建前である魔王救出の手柄が撤回されるやもしれん。
現世の魔王に近づくチャンスを易々と手放す訳には行かないのだ。
「さ、行きましょうか」
ーお・・・おう。
この異色の門をくぐり、大広間へと招かれる
流石”魔王城 と言うべきか、装飾はとても豪華だった。
長い廊下、赤いカーペットを淡々と歩く
隣のミラは鼻歌なんぞ歌って、気楽なものだ。
長い廊下を渡り、何度か角を曲がる。
流石”魔王の間 は深部に有るようだ
途中近衛兵と思われる兵がちらほら見えた。
長い槍に、酷く光沢の有る鎧・・・戦争を経験していないのか。
それとも、敵がこの間にたどり着く事すらできないのか。
思案している所にふと、ミラの声が聞こえた。
「えっと・・・黒騎士様!」
ー ?
その場でくるっと回り、スカートの裾がふわりと舞う
振り返ったその顔は、向日葵の様に咲いていた。
「私の他の魔王・・・お姉さま方なんですけど。」
ーああ。
「えっと、その」とえづきながら、目を泳がせる
指で”の を書きながら、ふと顔を上げた
その頬は僅かに色づいている。
「え、えっちぃ気分にならないで下さいね!!」
一瞬時が止まった。
ー・・・・・・・はっ?
何を言っているんだこの魔王は
俺は僅かに口元をヒキツらせた。
「・・・その。
姉の一人が・・・えっと、淫魔って言うか・・その」
ー・・・?
「だからですね、つまり・・・・えっと」
ー・・・・・。
「そ・・・・そーいう事ですッ!」
どういう事かわからなかった。
顔を真っ赤にしてぷいっとそっぽを向く
”そーいう事 とはどういう事なんだろうか
今一理解出来なかった俺は、曖昧に頷いた
するとミラは安心したように胸を撫で卸す。
「ふぅ・・・良かった」
ー・・・何が?
「い、いえ!何でも有りませんでふッ!」
舌を噛んで涙目になってた。




