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夜想、燐寸、千鳥草
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夜想
月明かりの部屋で
白い月の光を両手で掬い
少しずつ呑み込む
呑むと体が鳥肌を立て
脳が覚めていく
その目に映る夜は 透き通っている
街が水で満たされているようで
わたしは夜を泳ぐ魚になって
深く息を吸う
白い月の光が粒となり
肺の中で溶けてゆく
わたしに宿る淡く暗い夜を想いながら
わたしは夜に紛れる
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燐寸
ゆらりら ゆらりら あかいほむらが宿る指先
ゆれたれ りらゆら 火を喰うばけもの
ゆらりら ゆらりら 踊る火華やか
ゆららら ゆらゆら 揺らめく瞳孔
ゆらりら ゆらりら 灰散るまにまに
ゆられり ゆられり 脳味噌煙たく
ゆらりら ゆらりら 火照るほつぺが
ゆらゆら ゆらゆら 点る燐寸で
ゆらりら ゆらりら
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千鳥草
その小さな草のてっぺんで
小さな鳥が囀っている。
その羽は夢の一つも知らずに
何処迄も青天井を見つめる。
淡い風にさやさや吹かれ
揺れるままに 揺れ
海の向こうへ想いを馳せる
一羽、一羽、また一羽
全てが囀り、見つめ、揺れ、馳せる
かくして、千の花房が飛び立って行く
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