表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
41/99

絵魔女のクイナに関する報告

 描いた絵を、魔法で本物にすることができる魔女のことを絵魔女えまじょという。

 立派な絵魔女になるため、絵魔女の専門学校に通う子どもたちがいる。

挿絵(By みてみん)

 そのなかのひとり、絵魔女一年生のクイナはエビフライを描くのが得意な女の子だ。

挿絵(By みてみん)

 彼女が描いたエビフライは、とってもおいしいとクラスで評判だった。だからランチタイムになると、クイナのエビフライを食べたい子たちが周りに集まってくる。

「クイナ~、エビフライ下さいな~」

「わたしにも描いてくれ~」

「おっけ~。そこに整列して少々お待ちくだされ~」

 クイナはスケッチブックにスラスラとエビフライを何本も描いていく。


「よし、完成~♪」

挿絵(By みてみん)

 あとは、描いた絵に魔法をかければ本物のエビフライができあがる。

挿絵(By みてみん)

「ではみなさん、お口をあけて下さーい。行きますよ~」

挿絵(By みてみん)

 エビフライが、みんなの口に向かって飛んでいく。

挿絵(By みてみん)

「はふっ、揚げたてや~」「なかみプリっプリ」「ころもサックサク」

「ナニコレ、うっま!!ちょっとクイナ、お代わりお代わり」「おっけ~」


 クイナは、自分が描いたエビフライをみんなに喜んで食べてもらえることが何よりもうれしかった。

 自分が描いた絵でみんなが喜んでくれる。絵魔女にとってこんなにうれしいことは他にない。

 クイナはしあわせ者である。


 ちなみに、誰が描いても同じ味のエビフライになるわけではない。クイナのエビフライに対する偏愛が絵に込められ、それが隠し味として機能するからこそ彼女のエビフライは特別においしくなる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ