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南戸香ナルシィに関する報告
南戸香ナルシィは学校から帰ってきて、ポケットに入れておいた家の鍵がなくなっていることに気がついた。
家には誰もいない。母親は買い物に出ているようだ。少し待てば帰ってくるはずだが、さてそれまでどう過ごすか。
鍵をなくしたと分かれば、母親に叱られる可能性が極めて高い。叱られる確率は80パーセントくらいだろうとナルシィは予測する。
鍵は恐らく学校で落とした。学校に戻れば鍵が見つかるかもしれない。でも、たったいま学校から帰ってきたばかりなのにまた行くのは面倒くさいし、わざわざ探しに戻っても鍵が見つかる確率はせいぜい20パーセント程度だろうと彼女は予測した。
つまり、鍵を探しに行っても80パーセントの確率で鍵は見つからず、さらにその80%で叱られるのだから実質的な叱られ率は64%だ。
このまま何もしない場合の叱られ率は80%。苦労して鍵を探しても、叱られる確率はあまり変わらない。
ナルシィは学校に戻らず、家のドアの前に座って母親の帰りを待った。ただ待つだけでは時間の無駄と思い、ランドセルから今日の宿題のプリントを取り出し、問題を解きながら過ごした。簡単な問題ばかりだった。
母親の運転する車のエンジン音が近づいてくる。




