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紡奏みかんに関する報告
紡奏みかんは、蜜柑の上に蜜柑を乗せて遊んでいた。
彼女は家に蜜柑があると、よくひとりで蜜柑乗せゲームをして遊ぶ。もうひとつ乗せられるか。次で崩れるか。乗せれば乗せるほど高まっていく緊張感と達成感が楽しいようだ。
今日は調子が良かったのか蜜柑の形が良かったのか、今までで最高の五個乗せに成功した。彼女は興奮し、そのまま六個目に挑戦したが蜜柑の塔は崩れてしまった。リビングの床に蜜柑が散らばる。
「ママ、五個乗ったよ五個」
キッチンで夕飯の支度をしている母親に、彼女は自分が成した偉業を報告する。しかし「蜜柑を片付けなさい」と叱られる。
蜜柑を乗せたらなんになるのか。もちろん、なんにもならない。なんにもならないのに楽しいことを「遊び」と呼んだりする。
紡奏みかんはよく遊び、よく叱られる。




