第90話 遺跡調査3
ワープした先は暗い場所。
「ラックさん、近くにいますか?」
反応がない。どうやらラックさんは近くに居ないようだ。
いしのなかにいるとかになってないよね?
まずやる事は灯りの確保。
炎系の魔法はダメだ。
この空間の酸素がなくなってしまい酸欠を起こすかもしれない。
なので固有魔法の光線を使い最低限周囲が見える光を生み出した。(イメージとして循環する様に球体状にして光線を出した。)
次に現在地の確認、こういう時の不思議な地図。
地図を手に取るとアルフィアの遺跡地下と表示された。
未踏破なので今いる場所しか書き込まれていない。
『ほぉ、我が迷宮で魔道具と魔法を行使できるとは、汝ただ者ではないな?』
誰かの声がする。
『我が名はアルフィア。女神より迷宮を守護する命を賜った者。』
何か変な人(?)が語りかけてきた。
『我が迷宮では魔力を乱す場である。汝は何故魔法と魔道具が使える?ん?魔眼か?汝エルフであるな?何故エルフが魔眼を?』
質問が多いい。
まず、魔力を乱す場でその中で魔法を行使する件については知りません。
魔眼のことも知りません。
自分がエルフかどうか怪しい。
あれ?自分でもよくわかってない。
答えようがないし転生者と言うのを隠しておきたいので
「答えられません!」
と返事を返した。
『答えられぬ訳がなかろう。さては自分でわかっていないな?なら我の元へ来るがいい。』
と言われた。
正直言ってラックさんと合流して帰りたいので断りたい。
僕は地図を見て近くに下り階段があるのを確認してそっちとは逆の方に歩き出した。
『我がいる方とは逆だぞ?階段が見えるだろう?降ればすぐに我がいる。』
しつこいな。
悪いんですが、人を探してるので帰りますね。
『汝が探しているエルフは下の階にいるぞ?』
なんか胡散臭いな。
『信じぬか。ならば最後の手だな。』
アルフィアと名乗った者がそういうと地面に穴が空き僕は下の階に落とされた。
突然の事だったので尻餅をついて落下した。
正直お尻が痛い。
「マナミさん大丈夫ですか?」
ラックさんがいた。
「無事でよかった。」
僕はラックさんを抱きしめた。
「マナミさん、どうしたんですか?」
石の中にいるとかになってなくてよかった。
「マナミさん、ごめんなさい!」
ラックさんが頭を下げて謝った。
元はと言えば巻物造りを止められたのに自重しなかった僕が悪いので怒る気になれなかった。
「今度は気をつけてください。一見便利そうでもヤバそうなものもありますから。」
そういうとラックさんは軽く頷いた。
『さて、エルフ達よ、我のところまで来い。』
「それじゃ、帰りますか。」
「そうですね。」
『無視をするなぁ!』
うるさいな・・・。
『フン、ならばこうしてやる。』
地面が少し揺れたかと思うと目の前にあった上り階段が消えていた。
「階段を消されましたね。」
地図を見てみると階段が消えていた。
どうやら隠されたのではなく本当に消されてしまったようだ。




