第88話 遺跡調査1
「マナミさん、起きて下さい!遅刻しますよ?」
ラックさんはもう目が覚めていた。
「あと、5分・・・。」
眠い・・・。
「ダメです!急いでください。ダーリンや皆様に止められたのに無視して巻物作りをするからです。」
ラックさんは呆れていた。
あの後、自分の身とか世界がどうたらというより好奇心が勝って色々な種類の巻物作ってしまった。
勿論、色々危ないので、全て収納している。
「早く着替えて、寝癖を直して下さい。集合場所は遺跡前です。当初の予定とは変更して宮廷魔道士の皆様が遺跡までの道の全てに結界を張ってくれたそうです。安全が確保されているので調査隊は先に出発しました。」
オカン・・・。オカンがここにいる・・・。
僕達は急いで遺跡へと向かった。
遺跡への道は舗装されており、そこに沿う様に見えない壁が張られていた。
これが結界か。
「破ろうなんて考えないでくださいね?」
流石にそんな事はしません。
「おはようございます。ラック様、マナミ君。」
「おはようございます。教授。」
「マナミ君、凄いものを作り出したんだって?もしよければ今度、妻と一緒にみさせてもらえないだろうか?」
いいですよ。
付与魔術師であるウォールさんにも見てもらいたいし。
「辞めておいた方がいいのでは?」
ラックさんがジト目になっていた。
「さて、本題に入ろう。今回の調査に同行して貰いたかった理由は2人に転移門を見てもらいたくてね。」
そういえば、護衛だけじゃなかった。
ラックさんは転移門の周りを調べ始めていた。
「やっぱり外側には何もないですね。マナミさん、門を壊さずに色々、見る魔法とか創れますか?」
「仮説通りなら柱に使われている石材に付与魔法がかけられている筈です。付与魔法なら文字が書かれているので・・・。」
と言いラックさんが自作の煙玉を取り出して1人に戻った。(人形は煙が消える前に回収)
「『固有魔法:ムゲンノマドウソウセイ』」
固有魔法:捜査令嬢を獲得しました。
僕は再び煙玉を使い人形を出して魔力を流しラックさんを人形に移した。
「走査令嬢ですか。変わった名前ですね。」
捜査令状ならわかるんだけど・・・。
一体誰が名前をつけているのだろうか?
僕とラックさんは試しに走査令嬢を使ってみた。
走査令嬢を起動するとモード選択が出てきた。
鑑定、遠見モードetc.
CTスキャンと出ているので使用すると念じてみる。
すると転移門の柱の内側に何かが書いてある。
ラックさんは教授に中身の魔方陣を報告していた。
この結果に教授はやはりと言ってた。
「え?何?身体強化の一種の固有魔法を創り出したと思ったら、見ただけで柱の中に書かれてるものが見えるとか魔眼ですよね!?」
教授の連れてきた調査隊の人達が食い気味に聞いてきた。
「擬似的とはいえ、複合型の魔眼を生み出したんですよ!?転移門の謎解明も凄いことですけど。」
そういえばエルフは魔眼が使えない種族だった。




