第49話 二つ名
「この魔石は、この村で稀に取れる物です。我々の中に鑑定が行える者はおりませんので効果までは詳しく知りませんが・・・。」
「ありがとうございます、大切にします。」
スキルを使い魔石を収納した。
スキルを使いながらこうやってイメージして・・・。
収納
魔法の地図
普通自動車運転免許証(MT)(レプリカ)
通帳
印鑑
翡翠色の魔石
エルフの村エルフィアの村で稀に取れる魔石。
杖の素材になる。
効果は杖を作成してからのお楽しみ。
へぇ〜杖の素材になるのか。
今度、ケインさんに杖の素材が何か聞いて調達しようかな。
「何してるんだ?マナミの嬢ちゃん。」
「エルフィアの皆様からの贈り物をしまってたんです。」
「あ、収納持ちは嬢ちゃんの方か。てっきりハ・・・ラックの方かと思ってた。」
やめて下さい。ラックさんの事をハニー呼びなんかしたらこの森が戦場に早変わりしますから(多分)。
「もう、ダーリンったら♡」
あ、若いエルフ達が殺気立った。
薄々は感じていたけど、ラックさんって結構モテるんだよね・・・。
「ジジィさん、俺たちも冒険者登録して闘技大会に出ていいですか?」
と若いエルフの1人が言った。
「駄目じゃ。」
「何故です?」
「お主ら、マナミさんに勝てそうか?」
この3人の中では戦力としては僕が一番弱いのは事実だから僕は何と言われようとも何とも思いません。
「・・・・・・」
あれ?どうして黙ってるんだろうか?
「実力差が見えてるならよい。
彼女は冒険者のランクはCじゃが、実力はBランク位はあるかのぅ。
儂の見立て通りならマナミさんは魔法を無効にしてきたり格闘が出来る筈じゃ。殆どのエルフは魔法を無効にされた場合、戦えんからの・・・」
すごいな、ジジィさんの見立て・・・。
大体当たってるよ。
確かに僕には魔法を無効にする手立てがありますし、格闘もそれなりに自信はある。
(格闘に関しては武器を持ってないので素手や体術でどうにかしてるんですけども・・・)
でも、今の話からするとジジィさんやマドリーさんは魔法を無効にしても戦闘できるって事だよね?
どうにかして対策を考えておかないと・・・。
「それに、影の狼を1人で数匹程追い払えない様ではな・・・」
「・・・・・」
僕がこの世界に来る前にエルフィアは影の狼の群れに襲われており、入り口でラックさんが数十匹、村の中に入った数匹はジジィさんが倒したそうだ。
この言葉は彼らへのトドメになったかな?
最初の勢いが無くなってきている。
「後な、マドリーの手紙の中にマナミさんの二つ名が書いてあってのぅ・・・」
へぇ〜、ラックさんの【風刃の妖精】みたいなものか。
【風刃の妖精】はラックさんとギルドに行くようになった頃から彼女の二つ名になった。
(固有魔法の融合なるもので僕と合体したラックさんが狼を討伐したと言う形にした為。)
「それ、僕も気になります。」
「【固有魔導書】」
それ、ラックさんの方じゃ・・・?
固有魔法を創り出すのはラックさんの固有スキルなのだから・・・。
「発想力はマナミさんのが高いですし、実際に私よりも多いですから相応しいですね。」
こうして僕の二つ名は【固有魔導書】となった。




